[Turn 悪鬼]59.
今から話すのは、ちょっとだけ前の話である。
みさきは一つ、悩んでいたことがあった。
それは、自分の能力についてだ。
みさきはいつも疑問に思っている。みんな覚醒モードのような、それぞれの能力の派生形を持っているということに。
みさきはその派生を見つける方法も、使う方法もわからない。
もしかしたら、彼女がいない間にその派生形の話が出ていたのかもしれない、と彼女は考えている。
「私だって、みんなの役に立ちたいのに……。」
みさきの能力は回復型だったので、直接戦闘に役立つ能力が欲しかったのだ。
確実に手に入るとは言えないが、それが実現される唯一の希望はその覚醒能力だけと言えるだろう。
「総司ー。」
みさきは総司の肩を揺さぶっていた。
「みさきちゃん、どうしたの? あと、そんなに揺さぶられると肩痛くなるからやめようか。」
総司の一言で肩揺らすのをやめた彼女は、最近の自分の悩みについて語り始めた。
「……能力の覚醒の仕方?」
「うん。総司は前、何かやったじゃん? ……あんまり記憶にはないけど。私もそういうのが欲しいんだけど、全然どうしたらいいのかわからなくって。」
「そっかー。前に能力を発動した瞬間があったでしょ?」
「うん。」
「コツとしては、あれと同じ。自分の心に聞くんだ。出てくるときは、すんなり出てくるはずだよ。」
「出てこないときは?」
「それはもう諦めるしかないね。」
総司が笑みを浮かべたので、みさきは彼の腕を軽く殴った。
そして現在に戻る。
みさきは考えていた。
とりあえず能力を使って俊太郎の肉体を回復したが、吹き返すかどうかは放置するしかないだろう。
みさきの意識は深い海に沈んでいる。
自分自身に、できることは――。
「みさきちゃん、危ないっ‼」
総司の声が響く。
はっとした。
私に、できること。
「『完全修復・――――』。」
彼女は願う。
どうか、これが使えるものであってくれ、と。




