[Turn 悪鬼]57.
「終わったよ〜!」
碓氷は部屋のドアを開けて手を振った。
「二人とも! 無事でよかった……!!」
総司は安堵のため息をつく。
声を出したのは総司だけだったが、全員がその様子だった。
「いや、ただ相性がよかっただけだ。恐らく、総司君があの肉体おばけを閉じ込めなければ、絶対に死んでた。」
武山の言葉に、総司は照れ笑いを浮かべる。
「結果はどうであれ、この戦いは私たちの勝ちだ。」
真琴はそう言い切った。
「……いや? まだ終わってはないんじゃない?」
と、碓氷が声を上げる。
「何故だ。」
「だって、まだ戦争は終わってないじゃん。攻撃された以上、もう中立ではいられないよ。」
碓氷の言っていることは正しい。
これから挑むのは、三人から大勢に変わる。
「まさか裏世界殺屋の奴らと結託することになるとは……。予想外だが、悪くはない。」
社長はそう言ってガハガハと笑う。
もうおじいちゃんじゃなくて酒癖の強いおっさんみたいだ。
「そっか……。私がそう言ったんだもんね。」
みさきは心配そうだ。
「大丈夫だよ、僕たちもついてる。」
総司の言葉に、みさきは小さく頷いた。
「明日、裏世界殺屋にこのことを伝えよう。明日から、戦争に突撃するぞ。」
この戦いで、犠牲者は一人出てしまった。
もしかしたら、次の戦争でその犠牲はもっと増えるかもしれない。
だけど、それでもよかった。
一度消えかけた命だ。
この会社のため、存分に使ってやる。
全員が、そんなことを考えている。
今日が、皆でいられる最後の夜だ。
「みさきちゃん、部屋に戻ろうか。」
そうだね。とみさきは笑みを浮かべる。
総司には一つ、使命があった。
それは、彼女を失わずに戦争を制すことだ。




