[Turn 明星]54.
「真琴…無事だったのか。」
「はい。でも、能力は使えなくなりました。」
「そう…か、万号はどうなった?」
「あいつは、死んでしまいました。」
社長は苦しそうにしながら起き上がった。
「これ以上犠牲者を増やすわけにはいかない、まだ私の能力は残っている、総司とみさきはここに残ってくれ、応援を呼ぶ。」
「わかりました。」
社長は、真琴の肩を掴み、瞬間移動を使った。
「二人殺し損ねたが、お前ら二人はこのバルガ・ライザが必ず殺す。」
「応援が来るまでなんとか耐えよう。」
その言葉に、みさきは、コクリと頷いた。
「貴様ら、わかっていないようだなぁ。このアルファ様の、『皇帝』の恐ろしさに。」
「どうゆうことだ?」
「我が能力は、我に服従した者を操る…だけではない。」
「なんだって?」
「我が能力は、死体さえも操ることができるのだ。」
次の瞬間、総司が立っている地面が爆発した。
「!?」
総司は回避しようとしたが、右脚が爆発によって、飛ばされてしまった。
だが、すぐにみさきが脚を治した。
「ありがとう、みさきちゃん。」
「うん…でも、死体さえも操ることができるってなると、かなり厳しくなってくるよ。」
「僕ら以上の能力者が三人か、…仕方ない。」
「…?なにをする気?」
「僕の能力を、限界ギリギリまで上げる。」
「限界ギリギリって、大丈夫なの?」
「たぶん大丈夫。」
大柄の男が、ため息をついた。
「まだ話すのか?さすがに待ちくたびれたぞ?」
「…やるしか、ないのか。能力『幽遊戦記・餓鬼』。」
次の瞬間、少女が倒れた。
「なにが…起こったの?」
「五感を奪った。一時的だがな。僕の能力、『幽遊戦記・餓鬼』は、対象から、ものを一つ、一時的に奪う能力だ。ものってのは、なんだっていい。なんだって奪える。」
だが、大柄の男は、笑った。
「その能力も、所詮は能力だ。我には効かんぞ?」
「だからだよ。」
「なに?」
「だからこそ、お前だけは、再起不能にできる。」
「…まさか。」
「この命に変えても、お前だけは再起不能にして見せる。…能力『幽遊戦記・餓鬼』、対象は、三次元、奪うものは存在だ。三次元空間自体を、破壊する!」
次の瞬間、空間にヒビが入り、徐々に空間が崩れていった。ただ一人、大柄の男を除いて。
「バルガ、と言ったな。お前の能力が逆に自分の首を絞めることになったな。お前は、その三次元空間でもなく、四次元空間でも、二次元空間でもない、なにもない空間で、一生過ごすといいさ。」
「チクショォォオ!!」
バルガは、なにもない空間に出され、途方に迷っていた。
「クソが!必ず戻ってやる!必ず戻って、あの総司とかゆう奴を、殺してやるぅぅう!」
バルガは、自身の能力によって、空腹によって死ぬことがなく、ましてや、寿命すらないのである。
死ぬこともなく、ただなにもない空間を彷徨い続ける。
バルガ・ライザ…別空間に飛ばされ、再起不能。




