[Turn 悪鬼]51.
「えっと……なにこれ?」
みさきがひょっこりと顔を出す。
「なんか、この人たちを対処してほしいんだって。」
「二人で?」
総司は首を横に振る。二人でやるかもしれないし、もしかしたら援助が来るかもしれない。
「だいぶチートじゃない? ……絶対やってはいけない組み合わせもあるし。」
「どういうこと?」
「たぶん、負ける。」
当たり前のことを告げる彼女の目はとても冷ややかだ。
「当たり前なことを言うね。こんな能力じゃ勝ち目ゼロだよ。」
「そうだね……。」
みさきがぎゅっと手を掴む。
「能力的に死ぬのは私だから、先に言っておくね。今までありがと。」
「フラグはやめてもらって……。」
みさきは苦笑いを浮かべる。その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
「どこに向かえばいいの?」
「前に試験をやったところ。」
「まさか、私の初仕事がこんな重要任務になるなんてねー。」
みさきは肩を回す。
「行こっか。」
悲し気に浮かべるその笑みは、まるで天使のようだった。
ドアを開ける。
そこには、真琴が伝えたであろう三人が、万号と社長、そして真琴を囲んでいる。
「おいっ! おせぇよお前ら!」
そこに、万号が声を上げた。
「いい? 最初に狙うのはベータだよ。あいつを倒せば、きっと勝てる。」
みさきが最後に耳打ちで確認をする。
「あぁ、わかってる。」
「――『幽遊戦鬼』。」
この言葉が、総司を血が逆流しているかのような感覚に陥れさせる。
写真付きだったから、最初のターゲットはわかっている。
青い目を持った隠れ目の小さい女の子に、総司は突進した。
そのまま、力強く一発を――。
ぶちゅ、という音がした。
目の前にいるのは、大柄の男だ。
たしか、能力名は「不滅」。
男の身体は全身がボロボロだ。でも、総司が殴ったとされる痕は見つからない。
ヤバい、と総司は思った。
このまま急いで逃げ。
「総司君!」
社長の影が見える。
そのまま総司は社長と共に後ろに引き返された。




