表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The War of Orphans  作者: どこぞの悪鬼&Kinsei
5/48

[Turn Kinsei]4.

 総司は大きな建物の前に立っていた。

「こ、ここが、真琴さんが働いてる会社ですか。」

「まぁ、厳密には違うけど、そうだよ。…じゃあ中に入ろうか。」

「はい。」

 総司達はその建物に入った。

 そして、エレベーターに乗り、真琴が、五階のボタンを押した。

 エレベーターが動いてる最中に、真琴が総司に話しかけた。

「そうそう、総司君。」

「…?」

「ちょっとした入社試験みたいなものがあるけど、頑張ってね。」

「…え?」

 そして、五階に着き、エレベーターが開いた。

「ほら、着いたよ。」

 真琴が、扉のドアノブをガチャリと回し、開けた。

 その部屋の中の光景を見て、総司の時は、数秒止まった。

「テメェら『雑用係(アイテム)』に鬼を任せておけるかよ!」

 そこには、銃を持った一人の男が、従業員と思われる、一人の女性を人質に取り、机の上に座っていた。そして、それを止めようとしている人達が数人、近づけないでいた。

 そのうちの一人が、男に向かって叫んだ。

「待て!…我々のなにがそんなに気に入らんのだ!」

「いつまで鬼を野放しにしているつもりなんだ!鬼の被害者はたくさん出ているんだぞ?それなのに、お前たちはまったく解決しようとしない!にも関わらず?俺たち市民から金を巻き上げる?…ふざけるな!」

「違う!鬼の数は年々増えていっているんだ!だからその数を処理するのは大変なんだ!前にも言ったはずだろ!?」

「話にならないな、能力(スキル)夢幻魔術(むげんまじゅつ)』」

 次の瞬間、総司の目の前は真っ暗になった。

 そして、目が見えてきた時、その光景は想像を絶するものだった。

 なんと、その部屋にいた、総司と銃を持った男以外、全員倒れていたからだ。

「だ、大丈夫ですか!?真琴さん!」

「ああ、大丈夫だ。だが、今は戦えそうにない。だから総司君。君が戦ってくれ。…と言っても、人質を解放さえしてくれればそれでいい。」

「でも!僕はまだ、能力が使えないのに。」

「能力は、自分の心に聞くんだ。」

「自分の、心に?」

「ああ、そうだ。」

 総司は真琴の言う通りにしてみた。

 そして。

「こ、これ以上暴れるなら、ぼ、ぼぼ僕が許さないぞ!」

「なんだ?お前、脚が震えているじゃないか。」

「う、うるさい!は、早く人質を解放するんだ!」

「はぁ、お前も殺すぞ?」

「こ、来い!」

能力(スキル)夢幻魔術(むげんまじゅつ)』」

 総司の目の前が真っ暗になった。

「僕だって、………できるんだ!能力(スキル)!『幽遊戦鬼(ゆうゆうせんき)』!」

 総司が能力を発動した時、総司の頭から、角が生えた。

 そして、目の前の暗闇を力一杯ぶん殴った。

「オラ!」

 総司の目が見えてきて、銃を持っていた男が、吹き飛んで、倒れているのを確認した。

「待った!待って!マジで!マジで待って!」

「え?」

 すると、後ろにいた真琴が総司に向かって拍手をしていた。

「おめでとう。入社試験は見事に合格だよ。」

「え?じゃあ、あの人は?」

 と、総司は銃を持っていた男を指差した。

「ああ、彼はうちの社員の、武山(たけやま) 俊太郎(しゅんたろう)君だよ。」

「えぇー。」

 こうして見事、総司は入社試験に合格することができたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ