[Turn 明星]48.
どこに行こうかな、と悩みながら歩いていると、ゲームセンターのユーフォーキャッチャーの前で騒いでいる子供と、それを落ち着かせる男性がいた。
外見は別に普通の親子に見える。だが、なにか変な予感がした。
「おいおい、光一くん、もう諦めなって。」
「いやだぁ!取れるまでやるんだぁ!」
「でもねぇ、もうやり始めてから三十分も経っているんだよ?そろそろ行かないかい?」
「取れるまでやる!勇太!お金ちょうだい!」
「仕方ないなぁ。これで最後だよ?」
そう言いながら、勇太と呼ばれている男がお金を渡した。
そのお金を機械に入れ、真剣な表情でボタンを押した。すると、アームが景品を持ち上げた。そろそろ取れるところまできたが、落ちてしまった。
子供が膝から崩れ落ちた。
「ああああぁぁぁぁあ。」
「残念だったね。帰ろっか。」
その様子を遠くから見ていた二人は近くに行き景品を見た。その景品は、デカめの犬のぬいぐるみだった。
総司は、取れるかもと思い。お金を入れて、挑戦してみたが、すぐに取れてしまった。
「あれ、取れちゃった。」
まずいと思い、さっきの子供の方を見ると、子供が泣き出してしまった。
「いや、ご、ごめ………!?」
総司が謝ろうと、子供に近づこうとしたが、時が止められたように動けなくなってしまった。
筋肉が硬直し、全く動けなくなってしまった。
男性は、泣いている子供を慰めている。
「ちょっと、君、そのぬいぐるみを譲ってはくれないかい!?礼はするから、頼む!」
「は…はい。…ど…どうぞ。」
硬直した身体を無理やり動かし、ぬいぐるみを渡した。
「ほら、光一くん!ぬいぐるみだよ!あの人が譲ってくれたんだ!ほら、ね?泣き止んで?」
「うぅ…ぐすっ。」
泣き止んだ瞬間、総司の身体が動けるようになった。
「よかったぁ。ごめんね、譲ってもらっちゃって。」
「いえ、いいんです。」
「私の名前は蒼井 勇太、こっちの子供は、神楽 光一だよ。」
「僕は、日松川 総司です。…えぇ〜と。変なことを聞くんですが、もしかして、能力を持ってますか?」
「え?君達も能力を持っているのかい?」
男性は、すごく驚いた。
「私の能力は、『威圧』、ただ威圧感を放つだけの能力、そして光一は、『魔王』、まだこっちの能力は不明なんだよね。」




