[Turn 悪鬼]43.
休業3か月目。
ここまで来ると、総司を含めた雑用係の社員は暇をしていた。
いいや、全員ではなかった。
「なーんで捜索班は休業中でも労働されてるんですかねー⁉」
会社に再び戻ってきて、ぜぇぜぇと息をする新一。
「新一様。……社長が行きに能力を使ってくださったでしょう?」
「大変なのはその後‼ 電車と歩きで埼玉に戻るの大変なんだよ⁉ 今日は飛行機使ったし‼」
そう。新一は別に他の二会社に迷惑をかけるわけではなかったので、時間外労働をさせられている。
本当は篠崎も役割的にはそうらしいのだが、あまり仕事がないので実質休んでいた。
しかし、総司には新一も休業を楽しんでいるように見えた。
見るのは久しぶりの、某西日本限定のポテトチップスを開けてずっと口にしている。
「……暇、だな。」
「ですねー。」
社員みんなは同情する。
これが本当に暇だった。
どうやら、二つの会社は臨戦態勢に入っているそうだ。一応、まだ戦争は始まっていないらしい。
そんな中、暇すぎてだらけている我が会社は本当に恐ろしい。
「でも、中立にして本当によかったな。判断を間違えれば、今ごろ危ないところにいただろう。」
社員全員が、真琴の言葉に頷く。
「せっかくの機会だ。何かのイベントを会社でやらないか?」
「え⁉ いいの⁉ あたしやる‼ 絶対面白いじゃん!」
「何するー?」
すっごい乗り気の碓氷に続き、新一が手を上げる。
その二人の勢いに負けたのか、武山がまあまあ乗り気で賛成しだした。
もう反対することはできないと察し、総司とみさきは了解する。
秘書の神崎と社長は微笑んだ。
篠崎はため息をついた。
「じゃあ、少し待っていてくれ……。物を取ってくる。」
真琴はそそくさと暇でもいたオフィスを後にする。
「取って来たぞー。」
それは、何本かの棒が入った缶だった。
――――ものすごく、総司は嫌な予感がしたのだった。




