[Turn 悪鬼]39.
総司とみさきはそのままオフィスに足を運んだ。
既に全員いるようだ。
が、いつもと違うところが一つだけあった。
社長と神崎さんがいるということだ。
(……何か問題でもあったのか?)
そう思いながら、総司は自分の席に座る。
「みさき君はここで頼むよ。」
真琴さんが指したのは、未だに空白だった、総司と向かいの席だった。
みさきは首を縦に振ってそこに座る。
「あと、これ。」
「ありがとうございます。」
みさきは連絡用のスマホを真琴さんから貰う。
「社長、全員揃っております。」
「ああ、では、今から話しをしよう。」
社長の声は、いつもよりも冷たかった。
「戦、争……?」
新規組――碓氷からみさきまでのメンバーは、正直に言うと固まっていた。
総司もその一人だ。
「ああ。もしかしたら、そうなるかもしれない。」
簡単に内容をまとめると、どうやら裏世界殺屋ともう一つの会社、楽園組合で戦争が起きそうになっているらしい。
理由は裏世界殺屋が楽園組合の本拠地である埼玉の上空に侵入したからである。昨日の夜、楽園組合の社長が、うちの社長の元に来て報告したそうだ。
「『どちらの仲間になるかはお前たちが決めろ。』とあいつに言われた。……だから、どうしようか話し合おうと思う。」
社長は冷ややかな目でこちらを見つめる。
「皆はどう思う?」
あのー、と新一が手を上げた。
「どうした?」
「一言で言うと、だいぶヤバいです。恐らく誰かの犠牲は確実。それがルートによって異なるって感じですね。」
「つまり、正解がない……?」
「そうなります。それに加えて、戦争に勝っても弱っているところを刺される可能性も考えられる。だから、自分たちの考えに則るしかない。」
「そうは言っても、あの二社の考えにはどちらも納得がいかん……。」
総司たちは、社長と新一、真琴の三人の会話を眺めていた。
自分が口を出す余裕なんてない。
「あ、その。考えがあるんですけど。」
しどろもどろになりながら、みさきが手を上げる。
「どうしたんだ?」
「それって、必ずどちらかにつかなければいけないんですか? 取り敢えず中立を貫いて通常通りに活動を行って、こっちに干渉してくることがあればそこの敵になる、とか……。」
まだどの班につくかも決まってない私が言うのはどうかなのかなぁ、と滅茶苦茶弱気になりながら彼女は言う。
そんな考えはなかった。
それと同時に、こんな態度も見せるんだと思った。




