[Turn 明星]36.
総司がその部屋を出て行こうとしたとき、真琴が呼び止めた。
「すまないんだけど、みさき君の分の部屋を今すぐに用意できないんだ。…かと言って、そこら辺のホテルに泊めさせるとなると、みさき君が我々の目から離れてしまう。そうなると少し……いや、すごく怖いわけだ。」
「じゃあどうするんですか?」
「そこでだ。総司君。みさき君を君の部屋に泊めてくれないか?」
「ちょっと待ってください!…そもそも僕の部屋の隣って空いてたんじゃあないんですか!?」
「ああ、あそこは物置さ。」
「な、なら!碓氷さんとか、篠崎さんの部屋とかじゃだめなんですか!?」
「碓氷君には断られた。篠崎さんは、あまり一緒にすると危ないだろう?」
「たしかにそうかもしれないですけど………」
真琴は、総司の肩にポンと、手を置いた。
「てことで、よろしく頼んだよ?先輩君。」
総司はとりあえず、篠崎のいるオフィスへと向かった。
総司は、ドアを開け、オフィスに入った。
オフィスには、篠崎以外の社員はいなく、篠崎のみがパソコンの画面と睨めっこをしていた。
「あのー、篠崎さん。ちょっといいですか?」
「ん?…総司じゃないかい。どうしたんだい?」
「実は、こっちの子が、入社試験に合格したのですが、まだどちらの班になるか決まっていないので、先に医療班の案内をするために、篠崎さんに頼んでこいと、真琴さんに言われたんです。」
「そうかい、………じゃあこの子、これから二時間くらい借りるから、あんたは外で待ってな。」
「え?でも。」
「いいから早く出な。総司に見せるわけにゃあいかないからねぇ。」
「…はい。わかりました。」
総司は外に出てから考えた。
(あんな戦い方をしたみさきちゃんと篠崎さんを合わせて大丈夫なのか?………まぁなるようになるか。)
二時間後、オフィスから出てきたみさきは、今にも吐きそうな状態だった。
いったいこの中で何が起こったのだろうと、総司は思ったが、怖くて聴くことが出来なかった。




