[Turn 悪鬼]31.
総司は考えていたことがあった。
恐らく、真琴は試験だあーだこうだ言って準備するために自分とみさきを置いて帰ったのだ、と。
「はぁ……。」
総司はため息をついた。
今度はこっちが連れていく番だというわけか。
「何? ため息でもついて。」
「いいや。……この後わかると思うよ。」
「この後ってことは考えがあるんだよね?」
うっ、と総司はうめく。
「何?」
「なんでもないって。」
「そんなことないでしょー。」
総司は再びため息をつく。
「簡単に説明するよ。みさきちゃんが会社に住めるかどうかはわからない。……まあ、能力持ちなのは確定してるから平気だと思うけど。……あと、離してくれ。」
だが、彼女は首を横に振って離してくれない。
「それで、能力って……?」
そうだった、と総司は思う。なんて説明しようか、迷った。
説明を少しでも間違えたら、真琴さんにこっぴどく叱られるものだろうから。
その後の説明は少々割愛させていただく。
「つまり、私に魔法の力が秘められていると……⁉」
説明を受けた彼女は、信じられないと言わんばかりに目を輝かせている。
「うん……そう、だね。」
「あなたにも!!?」
「……うん。」
ダメだ。短時間の間でもこの人の勢いには蹴落とされるばかりだ。
その勢いは碓氷を超えるだろう。
といっている間に会社についた。
「この中が僕たちの職場であり、家。」
「ほお……」
魔法が好きなのだろうか、能力のことを話してからは、彼女のテンションは一気に上がっていた。
ピコン、とスマホから通知が来る。何かあったときのためと、最近になって持たされたものだった。
『前に試験をやったところに来い。彼女の試験を行う。』
それは真琴さんからだった。
今回の試験はこの人かぁ、と思いながら、総司はみさきを連れて行った。




