[Turn 明星]30.
どうしたのだろうと思い、総司は、その女の子に近づいた。その瞬間。
「…えっ!?」
横になっていた女の子が急に総司の脚を掴んできたのだ。
「す…いた…。」
「………え?」
「お腹…空いた。」
真琴は、総司に近づき、総司の肩を叩いた。
「総司君。僕達は先に帰っているからその子を送り届けた後に帰ってきてね。」
「え?」
「その子お腹が減っているんだろう?どっかで食べさせてから帰ってくるといいよ。…その子も君を掴んで離さないようだしね?頼んだよ。」
「嘘ですよね?」
「じゃあ頼んだよー。」
総司が、女の子の手を剥がそうとするも、もの凄い力で掴まれていて、剥がすことはできなかった。
これはもうご飯を奢らなければならなくなってしまった。と、総司は思った。
「え〜と。…なにが食べたいの?」
「…なんでもいいの?」
「うん。なんでも奢ってあげるよ。」
「じゃあ………。」
二人は、前に総司が行ったことがある、焼肉店にやってきていた。
「…ずいぶん食べるね。」
「三日間くらい何も食べてなかったから。」
「…はぁ。………ところで、君の名前は?」
「私の名前は、月宮 みさき。年齢は16。」
「え〜と。………みさき…ちゃん?なんであんな所にいたの?」
「わからない。気づいたらあそこにいた。」
「…う〜ん。じゃあ、君の家はわかる?」
「私の家は、もう無い。」
「無い?」
「全部壊された。…お父さんも、お母さんも、殺された。」
「………ごめん。」
「いや、別に。」
会計を済ませ、二人は店の外に出た。
「みさきちゃんはどうするの?」
「あなたについて行く。」
仕方ないので、総司は、みさきを連れて、会社に戻ることにした。




