[Turn 悪鬼]23.
「……勝算? そんなの知らないさ。勝てばその方法なんて、どうでもいいのと同じだよ。」
ふぅん、と新一は思った。どうやら、こいつは少し似たものがあるらしい。まあ、根本的なところはズレているんだけど。
「『ボス』のために、だろ?」
その言葉を聞いた瞬間、富倉の目は大きく見開かれた。
「やっぱりそうだ。君たち裏世界殺屋はみーんなボスに忠誠を尽くす。それも神のように崇拝しすぎだ。人(人間)の人生は自分のためだけにあるのに、お前らは自分の人生がボスのためにあると勘違いしている。」
富倉はじっくりと何かを考える。
「うるさいな。第一、もう勝負は始まってるんだぞ?」
「……図星、と。」
能力なんか使ってない。これぐらい、その人の言動ですぐに読み取れる。
その瞬間、謎の浮遊感が新一を襲った。
「わーお、こっちも本当だったとは。」
「ふざけてないでくれるか。」
新一は小さく能力を唱える。
「いやーこれでも大ピンチ。だってこれ、そのまま落ちてグチャ、でしょ?」
富倉は小さな笑みを浮かべた。
「あぁ、大正解だ。今からやってやるよ。」
恐らく富倉がやっているのだろう、徐々に上に持ち上げられる。
本当に落下死目前。大ピンチ。
新一はもう一度、能力を唱える。
一気に身体が重くなる。
「――――。」
「⁉」
そして、再び軽くなった。
新一は心の中で安堵のため息をついた。
「お前、今何と言った?」
「ああ『無空間』への入り方だよ。僕は、その情報を持っている。」




