[Turn 悪鬼]19.
悪鬼がミスをしすぎたために前話は削除しました、こちらが19話になります。
「仕方ない、強行突破かな。」
「社長、とりあえずやめてください⁉ 謎を解けばいいと四之宮も言っていたでしょう⁉」
「そんなことないはずなのだが……。」
社長がとぼけたように見せると、新一はため息をつく。こいつだけには敵わない、と新一は普段から考えていた。
「白銀の死神」。彼が第二次世界大戦中に呼ばれた通り名だ。そんな彼――社長の福野和也は、志願を含めば十七歳から軍隊に入れたと聞くので、最低でも九十六歳のおじいちゃんである。ただ、彼の年齢はもっと上、もしかしたら百を超えているのだろう。
「……ちょっと待っててね。」
「社長⁉」
驚いている間にも、彼はずっと手にしていた木刀をすっと構え、そのまま突撃。そして一突きした。
そして、この人と一緒にいなければ絶対に聞くことはないであろう、すごい音が響いた。
小規模な爆発が起きたみたいだ。
ポロポロと壁だったものは小石となって下に積もっていく。
新一は再びため息をついた。
「これ、だめだね。目の前に銃が見える。きっとこのまま進んだら殺されるね。」
淡々と言っているが、普通に危機一髪な状況である。まあ、社長にとってはそんなの平気なのかもしれないが。
「社長は平気だとしても、僕はアウトなんですよ。」
そうだったね、と社長は大きな声で笑った。
「優奈ちゃん助けてぇ。」
今はここに居ない彼女――この雑用係の秘書であり、新一にとって思い人である彼女のツンとした姿を思い出す。
「彼女はここにはいないよ。」
わかってますよ、と新一は言った。現在、新一にとって優奈に好意を抱いているのを社長が知っているのかは半信半疑だ。社長や優奈に能力を使えば一発だが、それは絶対にやりたくなかった。
「ほら、問題は目の前にあるんですから、早く解きますよ。」
早く優奈の話を避けるために、新一は目の前の紙を見る。
『…ちあ➀じぇ〇➁〇…
➀➁の答えを述べよ。』
とだけ書かれていた。
謎解きは好きだから、これぐらいすぐにわかる。
「……アルファベットっすね。」
新一はそう口にした。




