[Turn 悪鬼]17.
『「鬼」とは裏世界に生きている化け物で、たまに表世界に何らかの形で侵入し、人々を殺し食い漁っている。』
これが、昨日に真琴が教えてくれた「鬼」の生態だ。だから、もしかしたら――。
「この事件、そこの社長が鬼になってるんじゃないですか?」
確かに、と武山は口をぽっかりと開く。
「……ああ、僕も総司君の言う通りだと思っている。裏世界殺屋のことといい、事件のことといい。俊太郎君には再び講義にでも出さないとねえ。」
いじらしい笑みを浮かべる真琴。それに武山は「そんなぁ~!」と顔を隠すことしかできなかった。
「あれ⁉ 武山っち、もしかして講義入れられたぁ~?」
そこに現れたのは、今日もガッツリメイクの碓氷である。
「そうだよ、碓氷の姉ちゃん。何か悪いことでも?」
「だって、私が来たばっかの時も受けされられてたじゃん⁉ 最低でも三回目だよ⁉」
真琴以上に煽り散らかす碓氷。
「あー、おじさんには大変だよ。」
武山は苦笑する。その間に、ニュースは次へと移っていた。
「てか、あんたたち聞いた? さっきのニュース、絶対にそこの社長クロだよね。」
今日もオラついた風貌が隠せていないのは篠崎だ。……これでアラ、
「君も来たのかい、篠崎さん。」
「一応あたしの仕事場は手術室じゃなくてここ。……それよりも、秘書に聞いて出動したら?」
真琴は苦笑いを浮かべる。どうやら、真琴さんでも篠崎には勝てないようだ。(立場的な意味で)
「武山は残って社長からありがたい裏世界殺屋の講義でも受けてこい。……弓良君、総司君。一度社長室に行って事件現場に向かうぞ。」
仕事だる~とか言いたげに碓氷は真琴について行く。
総司はその後に急いでついて行った。




