[Turn 明星]16.
「と、まぁ、いろいろと話してはみたが、別に決断を急ぐ必要はないよ。」
「…え?」
「それより、朝食を食べに行かないかい?お腹が空いてしまって仕方がないのだよ。」
時計を見ると、すでに五時を回っていた。
「どこが良い?奢るよ?」
「じゃあ、………」
二人は、安い、美味い、で有名の、某ファミレスにきた。
真琴は、安堵の表情を浮かべた。
「じゃあ、総司君。好きなだけ食べても良いよ。」
「え?…良いんですか?」
「うん。」
一時間後、げっそりとした真琴と、ニコニコな総司がファミレスを出てきた。
「おかしいよー。なんでこんなにかかるのさぁー。」
「いやー、ご馳走様でした。真琴さん。」
あまり細かい金額は言えないが、バスケットボール七個くらいは余裕で帰るほどの金額だったらしい。
会社に帰ると、真琴と総司は社長室に呼ばれた。「失礼します。」
「来たか、真琴、総司。」
「どうしたんですか?社長。」
「少し買い出しに行ってきて欲しいんだ。」
そう言い、社長は二枚の紙を真琴に渡した。
「それでは、頼んだぞ。」
外に出た真琴は、愚痴を言っていた。
「もう、うちの社長ったら人使いが荒いんだから。」
「そんなこと言ってると秘書さんに聞かれちゃいますよ?」
「それはいけない。」
真琴は、紙を確認し始めた。
「え〜と?…りんごと〜ゴーヤと〜山芋と〜………」
そのとき、総司は、ある少女とすれ違った。
なんの変哲もないそこらへんにもいそうな少女だった。
だが、総司はなぜか気になった。
不思議な感覚だった。会ったこともないのに、なぜか知っている気がしたのだ。
「どうしたんだい?総司君?」
「…いえ、何でもないです。」
買い物を済ませ、真琴と総司は会社に戻った。
「買ってきましたよー。」
「ありがとうございます。真琴様。総司様。」
ソファに座って休んでいる武山がテレビを観ていた。
「物騒な事件も増えましたよねぇ。一つの会社が一夜で潰れたらしいっすよ。何でも社長以外全員殺されていたとか。」
その言葉を聞いたとき、総司の心の中で何かが引っかかった。




