[Turn 明星]10.
真琴と総司は、武山達がいる部屋に戻った。
「………ってことなんだけど、行きたい人いる?」
すると、武山と碓氷が手を上げた。
「真琴さん。僕は行けますよ。」
「私も行けるー!てか、行きたい!」
「そうか、でも、あと一人くらい欲しいよなぁー。」
真琴は総司をチラッと見た。
総司は、げっ、と、言って嫌そうな顔をした。
「総司君!行っておいで!」
「………はい。」
三人は、車に乗り込み、後部座席に総司、助手席に碓氷、運転席に武山が乗っていた。
「武山さん、運転できたんですね。」
「まぁね。それと、武山さんは、やめて欲しいな、せめて俊太郎君にしてくれ。」
「…わかりました。…武山さん。」
「うん、わかってないね。まぁいいけど。」
そんなことを話しているうちに、目的地に着いたようだ。
数年前に潰れた廃病院だった。
そこは、本当に事件があったのか、と思うほど、しんとしていた。
「なにか妙だね。警戒は緩めないでね、二人とも。」
その武山の言葉に二人は頷いた。
すると、廃病院の中から一人の男性が出てきた。
「ふん、また来たのか、『雑用係』よ。」
「あんたは、『裏世界殺屋』の佐野口!」
「残念だが、貴様らには帰ってもらうぞ。」
「そうゆう訳にはいかないんだよ。」
「そうか、なら、死ね。『天使之翼』」
佐野口の背中から白い翼が出てきた。
「我の名は、佐野口 成十郎、『裏世界殺屋』の幹部だ。」
そう言うと、佐野口は出てきた翼を使って宙に浮いた。
「先手必勝!能力『氷化風月』!」
碓氷が能力を使い、佐野口の脚を凍らせ、地面とくっつけた。
「ほう、氷か。だがまだまだだな、この程度で我を捕まえたつもりか?」
佐野口は翼に、力を込めた。
「ぬるい!」
佐野口を捕まえていた氷は砕け散り、佐野口は勢いよく空に飛んだ。
「次はこっちの番だ!」
佐野口は勢いよく、碓氷に突っ込んだ。
「能力『氷化風月 氷壁』!」
その佐野口を、碓氷が作り出した氷の壁で止めた。
佐野口は一度後ろに下がった。
「ほう、壁も作れるのか、なら、『天使之羽』」
佐野口の羽が数本、背中から碓氷の方へと飛んでいった。
「もう一度!『氷壁』!」
「無駄だ。」
佐野口が放った羽は、氷壁をすり抜け、碓氷の右肩、左脚、腹部に突き刺さった。
「我が羽は、この世の物質にあらず、常識を覆す。壁があれば物は止まり、その先にはいけぬ。だが、我が羽は、この世に存在していない。だから、どんな壁を用意しようとすり抜ける。」




