[Turn 悪鬼]9.
「……えっと、『雑用係』?」
総司がそう言うと、神川は吹き出した。
「えっ⁉ そこも知らない⁉」
「完全に能力とは無縁でしたので……。」
「あー、そゆこと。」
最近になって西日本限定でした売られなくなった某ポテトチップスをボリボリと食べながら、神川は話し続ける。
「新一様。マナーがなっておりませんので、食事中は静かにしてください。」
神川は決まりが悪そうに首を縦に振った。
「……あぁ、総司くん。ちなみに『雑用係』とはこの会社のことだ。」
ポテトチップスを食べる神川の代わりは真琴が行った。
総司はただ頷くことしかできない。
「…………ったく、『鬼ノ書』があれば根本的に鬼を抹殺できるんだけどなぁ。」
「まぁ、能力を使う会社はどこも狙うよねー。」
と、神川と社長。
「能力的に捜索班がぼくだけなんだよねー。優奈ちゃん、来る?」
「行きません。私は福野様の秘書なので。」
「そっかぁ、お堅いねぇ。」
淡々と会話をするが、総司には引っかかっていることがあった。
「『鬼ノ書』?」
そう言えば未だに説明をしていなかった、とでも言うように真琴が困ったかのような顔をする。
「『鬼ノ書』とは計画書だ。裏世界の鬼が表世界へ行くため入り口が
書かれている。この付近も含めて鬼の発生スポットには必ず一つあると思ってもらっていい。
その穴を見つけて裏世界の鬼を抹殺することが、我ら『雑用係』の最終目標。」
真琴は先ほどの様子とは打って変わって冷静に説明をする。正直情報量が多くて、何を言っているのかはよく理解できなかった。
そこで、一つの電子音が響く。
「はい、株式会社『雑用係』です。……警察ですか? ――はい、――はい、わかりました。すぐに向かわせます。」
そこで秘書は耳から電話機を離す。
「真琴様、依頼です。場所はここから約……3キロぐらい北でしょうか。」
「わかりました。やはり『情報特定』は便利だね。」
その社長の言葉に、秘書は小さく笑みを浮かべた。
「真琴くん、メンバーを決めてくれ。」
「了解です。」
真琴は深々と一礼した。




