表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】天国と地獄  作者: 吉田真一
第7章 向日葵の幸せ
170/178

復興

 更に記者の斎藤さんはあたしの目指す『復興』を記事にしてくれて、世間に大きくこの話を広げてくれた。


 そんな記者さんの提言も有って『クラウドファンディング』を立ち上げたら、更に多くの人達の支援を受けることが出来たの。


 結局のところ、あたし1人じゃ何も出来やしなかったと思う。全ては『復興』の為、あたしに力を貸してくれた数々の心優しき人達のおかげ。


 ちなみに、あたしがやったことと言えば、そんな各所の人達のつなぎ役かな。


 あとは意見の食い違いや対立が起こった時に、


『まぁ、お茶でも飲んでゆっくりしましょう』なんて......お母さん直伝の笑顔で仲裁するのもあたしの仕事だったりした。


 そんなこんなで、気付けばあたしは村役場に居る時間が一番長くなってた。お母さんの思い出がいっぱい詰まったその場所が、いつの間にやらあたしの職場になってたってこと。


 毎日色んな人と色んな相談をして、色んな文章やら色んな図面やらに目を通して、色んな意見を言ったり色んな意見を聞いたりとかなんとか......


 とにもかくにも、色んなことを勉強して色んなことを学ぶ毎日だったと思う。


 そんなこんなで、1年、そしてまた1年......


 まずは焼け落ちてた多くの家と御影神社が建て直されて、村人達が戻り始めれば、今度はお店が始まり、学校が始まり、山菱酒造が再開し......


 そして9年目の去年、それまで寂蓮村の一角に仮設されてた村役場が、遂に移転してここの建物に明かりが灯されたの。


 まぁそんな感じて、徐々にだけど以前みたいな活気有る御影村へと変わることが出来たのは何よりだったと思う。


 気付けば、あっと言う間の10年だった。そしてそんな10年は村だけじゃ無くて、あたし自身をも大きく成長することが出来た価値ある10年だったんだと思う。


 そんな『大人?』になってしまったあたし。でもまだ一つだけやり残したことが有ったりもする。そのことはきっと、この記録において、最後のけじめになるんじゃ無いのかな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ