森の中の隠れ家と、お世話される男の悲劇
こんにちは!「森の中で倒れたエルフの美少女を助けたら何故か懐かれた件」第3話をお読みいただきありがとうございます!
今回は、一旦逃亡に成功したアレンとリーネが森でひと時の平穏を過ごす様子を描きました。ギャグやお色気要素多めで、リーネの純粋さに振り回されるアレンの姿を楽しんでいただけたら幸いです!
しかし、そんな平穏も束の間。最後には再び不穏な影が迫り、次回への期待を高める展開になっています。笑いと緊張感のバランスをお楽しみください!
なんとかゼルガードの追跡を振り切り、俺たちは森の奥深くへと逃げ込んだ。そこには、かつて冒険者だった親父が作った隠れ家があったのを思い出したのだ。
アレン:「よし、ここならしばらく安全だろ。」
リーネ:「アレン様、すごいです! こんな場所をよく見つけられましたね!」
リーネが目を輝かせて俺を見上げる。そんなに褒められると、なんだか照れるじゃないか。まあ、親父のおかげだけど。
アレン:「ここで休もう。あんまり動き回るとまた見つかる。」
リーネ:「はい! ……あっ、アレン様、少し血が出ています!」
彼女が俺の腕を指差す。たしかに、さっきの逃走中に枝で引っかけたのか、シャツが破れてうっすら血が滲んでいる。
アレン:「大したことないって。それより、リーネは大丈夫か?」
リーネ:「そんな……! 私のことはいいので、まずはアレン様の手当てを!」
リーネはそう言うと、俺の腕を掴んで自分の膝の上に乗せた。ん? 待て、なんだこの状況。膝枕?
アレン:「いやいや! なんで膝の上なんだよ!」
リーネ:「こうすれば、より丁寧にお世話できます!」
満面の笑顔で言われたら、文句も言えない。いや、いや、でもこの位置……視線が危険すぎる! ドレスの胸元が……!
アレン:「あー! わかった! わかったから自分でやる!」
リーネ:「ダメです! 私がやります!」
まるで子どもをあやすような口調で、俺の言葉をあっさり流してくる。俺が抵抗している間に、リーネはどこからか布と水を取り出し、手際よく傷を拭き始めた。
リーネ:「これくらいなら大丈夫です! 治癒魔法もかけておきますね!」
リーネの手から淡い緑色の光が漏れ、傷口がじわりと塞がっていく。
アレン:「……すげぇな、魔法って。」
リーネ:「ふふ、ありがとうございます! アレン様のお役に立てて嬉しいです!」
とても嬉しそうに微笑むリーネを見ていると、さっきの絶望的な状況が少し遠くに感じられる。俺も自然と力が抜けていった。
夜になると、隠れ家の簡素なベッドで休むことにした。といっても一つしかないので、俺は床で寝ることに。
アレン:「お前はベッドで休めよ。疲れてるだろ。」
リーネ:「でも、アレン様が床だなんて……!」
アレン:「いいから。俺は男だし、これくらい平気だ。」
リーネは渋々ベッドに横になったが――。
リーネ:「あの……アレン様?」
アレン:「……なんだよ。」
リーネ:「寂しいです。」
布団を抱えながら、しょんぼりした目で俺を見てくるリーネ。いやいやいや、それは反則だろ!
アレン:「我慢しろ! 俺も疲れてるんだ!」
リーネ:「では、一緒に寝ればいいのでは?」
アレン:「その発想がダメだろ!」
必死でごまかしつつ、なんとか距離を取る。まったく、こんな状況で寝れるわけが――。
翌朝、なんとか無事に目を覚ました俺は、何か美味しそうな香りに気づいた。
リーネ:「アレン様、おはようございます!」
目の前には、何やら香ばしいスープをよそっているリーネの姿があった。どこで手に入れたのかは不明だが、ちゃんと野草やキノコを使っているらしい。
アレン:「お前、料理もできるのか?」
リーネ:「はい! アレン様のために頑張りました!」
そんなに嬉しそうに言われると、悪い気はしないな。
だが、スープを一口飲んでみて、俺は固まった。
アレン:「……これ、しょっぱすぎるだろ。」
リーネ:「え!? 塩を多めにした方が元気が出るかと思ったのですが!」
リーネはショックを受けたように肩を落とす。その姿があまりに可哀想で、俺は慌ててフォローした。
アレン:「いや、まあ……元気は出るよ。ありがとうな。」
リーネ:「本当ですか!? それなら良かったです!」
純粋すぎる反応に、俺は思わず苦笑するしかなかった。
俺たちは、スープを飲み終わり、片付けを済ませた頃にはすっかり朝日が森を照らしていた。
リーネ:「アレン様、今日はどうしますか?」
アレン:「そうだな……少し様子を見つつ、ここからさらに安全な場所を探す必要がある。」
とは言え、あのゼルガードが俺たちを見逃すとは到底思えない。奴は執念深そうだし、今頃どこかで手ぐすね引いているはずだ。
リーネ:「アレン様がいれば、どこに行っても大丈夫です!」
リーネの無邪気な笑顔が胸に刺さる。頼られるのは嬉しいが、こんな状況でどこまで守れるか分からない。それでも――。
アレン:「お前がそう言うなら、やるしかないな。」
そう答えたものの、正直なところ何も具体的な案はない。食料も長くはもたないし、この隠れ家もいつかは見つかるだろう。
俺たちは安全を確認しながら森の中を歩き回り、食料や飲み水を確保していた。昼頃にはなんとか新しいキャンプ地を見つけ、そこで少し休むことにした。
リーネ:「アレン様、少しだけお昼寝しても良いですか?」
アレン:「ああ、俺が見張ってるから安心して休め。」
リーネは木陰に座り、静かに目を閉じた。その顔を見ていると、なんとも言えない気持ちが胸に湧き上がる。儚げな横顔に、疲れているのが見て取れる。
(本当に、守れるのか……?)
そんなことを考えていると――。
リーネ:「ふにゃ……アレン様……」
寝言か? 少し緩んだ口元と、夢の中で俺の名前を呼ぶ声に、思わず笑ってしまう。
アレン:「お前、俺の名前を寝言で呼ぶなよ……変な気持ちになるだろ。」
その時、ふと彼女が寝返りを打った。すると、ドレスの肩部分がずり落ちて――。
アレン:「うわっ!? おい、お前……!」
急いで目を逸らそうとしたが、視界に焼き付いてしまった。俺の顔は一瞬で真っ赤になる。
数分後、リーネが目を覚ました。
リーネ:「ふぁ……アレン様、寝てしまってすみません。」
アレン:「い、いや……別にいいけど。」
何とか冷静を装いながら答えたが、リーネはそんな俺に首を傾げる。
リーネ:「アレン様、顔が赤いですよ? どこか悪いのですか?」
アレン:「ちょ、ちょっと日差しが強かっただけだ!」
こんな時に素直に「お前のせいだ」とは言えないだろう。
リーネ:「そうですか。無理はしないでくださいね。」
そんな気遣いのある笑顔が逆にダメージを与えてくる。
夕方になり、再び移動の準備をしていると、遠くから妙な音が聞こえた。
アレン:「……この音は?」
風がざわめき、木々の間を何かが動いているような気配。緊張が走る。
リーネ:「アレン様、何か来ます!」
俺は彼女の手を掴み、身を低くして音の方向を伺った。すると、木々の間から現れたのは――。
リカルド:「おーい! アレン!」
アレン:「……お前、無事だったのか!?」
そこにいたのは、村を出てから姿を見せなかったリカルドだった。
リカルド:「村が荒れててさ、心配になって探しに来たんだよ。お前ら、よく無事でここまで来れたな。」
そう言いながら彼は肩をすくめた。
リーネ:「リカルドさんも無事で良かったです!」
リカルド:「……それにしても、随分親密になったな、お前ら。」
リカルドのニヤついた顔が鬱陶しいが、ここで再会できたのは心強い。だが、リカルドが何かを言おうとした瞬間――。
リカルド:「おい、アレン……あれは――!」
俺たちが振り返ると、再びゼルガードの影が森の中に現れていた。
第3話を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
リーネの天然っぷりやお世話好きな一面に、アレンが翻弄されるギャグシーンがメインでしたが、彼らの絆が少しずつ深まっているのを感じていただけたでしょうか? それでも最後にはゼルガードが再び姿を現し、物語の緊張感を取り戻しましたね。
次回は、リカルドとの再会やゼルガードとの新たな対決が描かれる予定です。平穏な時間が続かないのが、この物語の醍醐味です!
感想や応援コメントがあると、執筆の励みになりますので、ぜひお気軽にお寄せください!それでは、次回もお楽しみに!ありがとうございました!
※この作品はAIの協力の元作成されています。