第9話 始まり3
第0話含めるとこれで10話目になりますね。拙い文章だと思いますが、今後ともお付き合いしていただければと思います。読んでくれるとタスカル。
外に出て、まず目についたのは雪だった。
自分の地元は、積雪が多い県であるが、珍しく今年は降っていなかった。
なので、別に傘を持たないでも大丈夫だろうと思いながら、玄関を開けたのだが、まさか降っているとは。
部屋の窓から確認するべきだったなと後悔しながら、もう一度、玄関に戻り傘を持つ。
「雪降ってるんだけど?寒いんだけど?」
「そりゃあ、まだ1月やからな。雪ぐらい降ってるやろ。」
アリクイにそう言われて、そういえばまだ1月だったと気づく。
今年が始まってまだ、20日も経っていないというのにこんなイベントが発生するとは、思いもしなかった。
こんな夜中にコンビニに行くなんて何年ぶりだろうか?
そんなことを考えながら、コンビニに行く道を歩いていると、農道付近でふと学生時代を思い出す。
よくこの農道を通って、学生時代の友人とコンビニに行ってたなと。
「人から見たらただの農道って思うかもしれないし、実際ただの道なんだけど。このただの道が人によっては思い出深いものだったりするのって、面白いよなぁ。」
自分が昔、友人になんとなく特になんの意味も考えないで発した言葉である。
その時は友人に「何言ってんだおまえwww」って言われて終わったが、今になってはそれも思い出だったなとまさか、ただコンビニに行く道中で感じることになるとは。
そんな思い出に浸りながら、コンビニに向かっていると意外とあっという間だった。
傘に乗っていた雪を適当に払い、傘立てに置いて、コンビニのドアを開く。
ピンポンピンポーン。
よく聞く音と共に、暖房の暖かさを感じる。
とりあえず、食事コーナーみたいなところを探しているとすぐに見つかった。
そこには、見たことないようなものばかりが置いてあり、なにがなにやらさっぱりである。
「とりあえず、着いたけど。」
「そこにさ、親子丼って名前のものないか?なんか底の深い形したもので。」
「流石に売ってるんちゃうん?」
「売ってるとは思うんやけどなぁ・・・」
アリクイと羅夢が話しているを聞きながら、親子丼という名前のものを探していく。
しかし、一通り見てみたがどこにも親子丼と表記されてるものは見つからなかった。
「えっと、ないんだけど。」
「まじか、売り切れかぁ・・・確かに時間的にも夜中やし、なくてもおかしないかぁ・・・」
アリクイが悔しそうな声で言う。時間帯によっても、売ってなかったりするのか。
「えーと、今なにがあるん?」
羅夢から言われて、一通りあるものの名前を言っていく。
「三色鳥そぼろ丼に唐揚げ弁当?あとはデミオムライスと日の丸弁当とかかな。意外と置いてないな。」
「パスタとか置いてないの?あー麵が入ってる入れ物がいっぱいあるところ。」
と言われて確認すると、確かに麺類が並んでいるところがある。
「ペペロンチーノ?ミートソースパスタ?あとカルボナーラって名前のやつならあるね。なんかカタカナばかりやね。」
「それが普通なんよwww」
これが普通なのか、カタカナ読むことなんてビタミン剤に書いてあるビタミンの種類ぐらいしか見かけなかった。いや、実際はもっと見かけていたけど覚えていないだけなのかもしれない。
「おけ、ごり。一旦、会議開くからちょっと待ってて。」
「おーおけ?」
適当に返事してしまったが、会議って何を話し合うというのだろうか。
ア「今あるやつで食べさせたいものあった?」
ら「うーん唐揚げとか専門店で食べてほしいしな、日の丸は何入ってるか分らんし、個人的には親子丼が ないならパスタ類でもいいんちゃう?」
鳥「個人的にデミオムライス。」
ら「あーデミオムライスあり。アリクイは?」
ア「俺もデミオムライスやなぁー。なら三人の意見まとまったし決定やな。ごりー?デミオムライスこうてや。」
そう言われて、デミオムライスと書いてあるものを手に取る。
見た感じ、全部黒い色しているのだが、食べて大丈夫なのだろうか。いや、しかし食べられないものを店頭に置くとは思えないから、流石に食べられるものだろうが色が怖い。
「これ、見た感じ茶色?なんかすごい色してるけど。」
ら「それはデミグラスソースって言ってな。ちょっと甘いねん。」
「ほーん、甘いのか、カロリーメイトのチョコレートより?」
ア「そんなん当たり前やwww」
あれより甘いものなんて、あったのか。それは期待できるかもしれない。色怖いけど。
と、買うものが決まったので、さっさと買って帰ろうかと思ってレジに足を進めようとすると
「てか飲み物は?」
羅夢から発せられたのは、そんな言葉だった。
え?飲み物なんて水かエネチャ(エネルギーチャージ)でいいんじゃないの?
今度は食べ物から飲み物を選んでいきます。
次回で買い物編、終わるといいなぁ・・・。