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六角形関係

作者: 波子

 

 一晩限りの夜なのに一緒にお風呂に入ろうなんて厚かましい、

 他に恋人がいるのにわたしの腕の中ですやすや眠れてしまうなんて微笑ましい。


 あなたみたいな可愛い男を手放す人はいないでしょ。


 手に入らないとはっきりしてる男が赤ちゃんの瞼。天使の様な長いまつ毛。この世は残酷だ。


 なんでも良いと思ってるけど、わたしを感じさせてくれた別の人の体温と感触がわたしをそのまま忘れさせてくれるからなんにでも引っかかっては命からがら逃げ出して。


 蜘蛛の巣みたいな男の子はわたしの様なちょろい餌が好物だけど。こんな抜け殻みたいな女の子を抱きしめては殺しても何も残らない。



蜘蛛でいいから捉えられたい。それほど、ふわふわと頼りない。このまま飛んでいく先の見えないたんぽぽの子供で流されたまま風に決められた土地に落ち着くの。あてのないのはもう嫌だ。蜘蛛の巣と遊んでいよう。


 みんなわたしを蜘蛛だと言う。みんなわたしがずるいと言う。



また遊びにきてくださいね。

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