本能が告げた
「こちらが、私の妹のリリアネです。」
「エリアード様!よろしくお願いします!」
俺の本能が告げた。この人と話してはいけない。
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愛しの婚約者、リアナに会いにきた俺は何故か彼女の妹であるリリアネを紹介され、彼女リリアネは席を動く気はない。
それどころかキラキラした目でこちらを見つめてくるのだ。
こう、何というか……。うん……。はっきり言って怖い。
正直リアナと2人っきりになれると思っていた俺はショックで灰になって消えそうだ。サラサラ。ところで、こいつはいつまでいるつもりなんだ。とっとと消えろ。
「エリアード様ってどんな人が好みなんですかぁ〜?」
お前以外の人と言うわけにはいかないので
「リアナ様ですね。」
と、キッパリと言った。
「えぇ〜?お姉様ですかぁ〜?リリアネ、お姉様怖いんですぅ〜……。だっていつも睨んでくるしぃ、それに暗いですしぃ〜。リリアネは明るいからぁ、あんまり合わないんですぅ〜。」
だからどうした。っていうか「ですかぁ〜」とか言う語尾やめてくれ。耳が腐る。
それよりもリアナのこと馬鹿にししやがったな。どう消してやろうか。
「でも、僕はリアナ様の冷静なところ好きですよ。僕はちょっと行き過ぎてしまうところがあるから、結婚したら迷惑かけちゃうかもしれないな〜。」
「え〜、そうなんだぁ……。リリアネ、お姉様みたいなれるように頑張ります!!」
ちゃっかり結婚したらのとこかわしましたね。あなた。
あぁ。こんな話の通じない人と話すより、早くリアナとりんごパイを食べたい。リアナの喜ぶ顔を想像して、俺はついにやっとする。
ところで、リアナ全然喋ってないな。さっきので気を落としちゃったのかな。そう思ってギャーギャー喋る彼女の義妹を無視してリアナの方を見る。すると、リアナと目があった。
引き込まれそうな水色の瞳。何度見ても美しいと言うほかない。
「エリアード様ぁ!聞いてますぅ〜?」
「ん、ああ。聞いてる聞いてる。」
俺とリアナの2人だけの世界を邪魔するな。
「それよりもリアナ様。今から少し出かけませんか?」