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リアナの手紙②


リアナside


嫌われていたらどうしよう、という気持ちはあったけどどうしても謝りたかった。だから代筆に任せずに自分で手紙を書いた。

ろくに教育も受けさせてもらえなかった私は字が幼い。また、文章がうまく書けない。だけどそれなりには頑張った。


だから、返事が返ってきた時は飛ぶような嬉しさだった。また、彼の手紙から感じる気遣いも嬉しかった。


彼の家のシェフが作ったりんごパイはどのような味がするのだろうか。


「……楽しみ。」


自分でも驚いた。久しぶりだったのだ。感情が口に出たのは。こんなに明るい気持ちになるのは。


***********

いつもは家族と別々で食事をとるのだが、その日は珍しく夕食の席に呼ばれた。

継母と義妹が私に対する嫌味を言っている中、お父様が笑顔で話しかけてきた。


「リアナ。エリアード様と仲良くやっているようだな。明後日に会う約束をしたとかいう話もあるじゃないか。その時、エリアード様にリリアネを紹介してくれないか。リリアネがエリアード様の肖像画を見てすっかり気に入ってしまってな。今、ダンデル家の許可が取れれば婚約者を変えようと話してたんだ。どうせお前たちは同い年だ。どうだ?やってくれるよな?」


「お願いします!お姉様!それに、私の方が可愛いし頭も良くて明るいので暗いお姉さまより私のことを好きになってくれるはずです!」


普段はお姉様なんて呼ばないくせに。

「……婚約者を変えるはともかくして、とりあえず明後日エリアード様にリリアネ様を紹介いたします。」

仮にも妹に様をつけるなんて他のところでは考えられないだろう。


明後日が怖い。本当にエリアード様がリリアネを好きになったら……と想像すると何か分からない感情が渦巻くようだった。

手に違和感を感じ、ふとみる。

「……え?」

信じられないものが目に映る。手を黒いもやが包んだ。しばらくすると消えたが、このまま行くと何か良くないことが起きるのを本能的に感じた。


「これは一体……?」

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