リアナの手紙①
「はあ……。」
あの日から何度目のため息だろうか。今日だってリアナに会いに行きたいのにあの日のことで行きづらい。
嫌われちゃったのかな。
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〜episode1 その後〜
「ご、ごめんなさい!」
そう言ってリアナはどこかへ走っていってしまった。1人残された俺は、しばらく呆然としていた。だが、我に帰るとすぐに彼女を追いかけた。
屋敷のメイドに尋ねると、彼女は「1人っきりにさせて。」とだけ言って部屋に入ってしまったそうだ。
リアナが部屋にこもってしまったのでその日はそこで帰ることになった。
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〜episode3 に戻る〜
何度考えても突然過ぎた。叫びたくなるような絶望感を抱えながら明日の授業に向けて予習をする。
本当は明らかに元気のない俺をみて心配した両親が今日の授業は休ませてくれたのだが、何かしてないとすぐ気分が落ちてしまう。
あの日のことをまた思い出し、頭を抱えて叫びそうになった時、1通の手紙が俺の元へ届いた。リアナからだった。
「この間は申し訳ございませんでした。よろしければまたお会いしたいです。」
この時代は普通手紙は代筆にかかせる。だが、この手紙の字は幼い感じがする。ということはリアナが書いたのだろうか。そうだとしたら嬉しすぎる。
俺は近くにあった羽ペンを取ってすぐに返事を書いた。
「リアナ様へ
お手紙ありがとうございます。
早速ですが、3日後に伺ってもよろしいでしょうか。早く会いたいですし、ちょうどその日は母がお茶会を開くので暇だったのです。リアナ様のお母様もくると聞いております。
そういえば、そちらへ伺う時はうちのシェフ特製のりんごパイを持っていきますね。新鮮なりんごをふんだんに使ったパイなのですが、とても甘くて紅茶にとても合うのです。
不都合がありましたらご連絡ください。会える日を楽しみにしています。
エリアード・ダンデル」
ちょっと長くなったかな。まぁいいや。