リアナ①
リアナside
この家に私の居場所はない。
実の母は私が生まれた時に産後の肥立が悪く、そのまま死んだ。しばらくして父は再婚し、継母の連れ子であるリリアネが我が家にやってきた。私の方が早く生まれたので私が姉ということになった。
父は愛した母を殺した私をとても憎んでおり、継母は妹ばかりを可愛がり私にたくさんの嫌がらせをする。
まだ幼かった頃、一回だけ父に泣きついたことがある。すると、
「お前が弱いのが悪いのだ。」
そう言われて父はそのまま王宮に行った。
それから私はいっさいの弱音を吐かなくなった。というよりも、何も感じなくなったのだ。
どうせ私は誰にも愛されない。他人に愛なんて求めてはいけない。これが私の結論だった。
***********
ある日、不思議な夢を見た。
私ガラスの箱に閉じ込められていた。外は明るいのにその箱から出られない。私はそのガラスの箱の隅っこでうずくまっていた。
時々、外の風景を見てその美しさと孤独感で胸が締め付けられていた。
すると、いきなりガラスが割れた音がして、赤髪の少年が入ってきた。
「___リアナ様っ!」
彼の顔はぼやけている。だけど、緑色の目と必死な表情が伝わった。
彼は手を差し伸べ、私はその手に捕まった。ぐいっと引っ張られ、私は彼と2人で外に出たのだ。
あなたは誰?
そう問いかけた瞬間に目が覚めた。
これが久しぶりに見た悪夢以外の夢だった。