取れかけたボタン

取れかけたボタンみたいに

伸びきって　外れかかり

解《ほつ》れた糸にぶら下がっているオレ

宙ぶらりんに離れてた分

この世界の愚劣さを知ってるし

いい奴だっている事も分かってる

この糸って　最後の絆《きずな》なのか

それとも　自由を奪う鎖《くさり》なのか

もう考えるな！

どうせ覚悟は決まらない

手繰《たぐ》ってみろよ

振り解《ほど》いてみろよ

震えた手でいいから

モラトリアムは　とうの昔に過ぎ去った

たとえ糸が千切《ちぎ》れても

結果が同じだとしても　

思いは　別にあるはずさ

ちぎれて　弾《はじ》け飛んで

遠く　海辺の町まで　飛んで行け

きっと　誰かが拾ってくれる

ちぎれて　弾《はじ》け飛んで

遠く　波打ち際まで　飛んで行け

何の役に立たなくたって

優しい誰かが　拾ってくれる

ーーー中原中也「月夜の浜辺」に寄せてーーー

---

作曲AI(suno AI)でこの詩を使って曲にしました。よろしかったら聞いて下さい。

https://suno.com/@takemitsu_zamurai