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覇龍戦断リュウグウオー  作者: ムネミツ
覇龍戦断リュウグウオー編
9/24

第九話 平時の告白


 俺達リュウグウオーチームは三人になり訓練と実戦に励んでいた。

 ナーガズネストはベア子の実家が持つ民間軍事会社がベースだ。

 そのおかげで軍事や社会の事など知らない事をサポートしてくれる

のはありがたい。


 戦は兵站、支えてくれる人達がいないとなり立たないとは父さんの言だ。

 

 俺はマーレナーガのパイロットになってからいつの間にか実家から基地に

引っ越しがされていて学校が終われば基地に帰る暮らしになった。


 放課後は訓練や勉強やらで事が起きれば出動と兼業学生は辛いぜ。


 この日は基地の地下のシューティングレンジで射撃訓練から始まった。

 トレーナーの兵士の指示に従い俺と春華とベア子は横一列に並びそれぞれ

がアサルトライフルを構えて射撃。

 「ああっ! ズレるわよこの銃!」

 「私も、アサルトライフルは軽すぎますわ!」

 射撃が苦手な春華に機銃を脇に抱えて射つ方が似合いそうなベア子。

 俺はわめく仲間達をスルーして真面目に訓練を受けた。

 結果、俺が三人の中ではトップだったが勝った気がしなくて嬉しくない。

 

 この訓練が終われば今日はもう自由時間、と言っても遊びに出かけたり

するほどの時間はない。

 コンビニ代わりにある基地の地下の購買に行くか食堂で軽く飲み食いするか?

 はたまたゆっくり一人で風呂に入るかだ。


 マーレナーガ、ゴルドナーガ、グレンナーガの三神のおかげで基地の地下に

ある浴場は温泉になっており疲労回復や骨折など本当に万病に効く。

 湯上がりの飲み物も充実していて、世界一待遇の良い民間軍事企業だと思った。

 射撃の成績が悪かった仲間達を置いて俺は一目散に浴場へと向かった。

 

 浴場の入り口の自動ドアが開く、浴場の玄関は銭湯と言うより旅館に近く

マッサージチェアやゲームの筐体やらと遊技場も兼ねていた。

 「アイゼンバーグの財力は恐ろしいな」

 そんな事を言いつつ受付にサインをして男湯へ。

 岩風呂とタイル張りの浴槽に富士山の壁絵。

 天然温泉と銭湯をニコイチにした中身に唖然としつつまずは体を洗う。

 「ヘイ守♪ 体洗ったらこっち来いよ♪」

 岩風呂に浸かっていたスキンヘッドのマッチョな黒人兵士が声をかける。

 「ボブさん、相変わらずカットされた腹だね」

 黒人兵士であるボブに俺も声をかけた。


 「おう♪ まあ、お嬢には負けるがな♪」

 ボブが明るく笑って返答に困る返しをした。

 「守、お嬢の事は頼んだぜ未来のムコ殿よう♪」

 俺がボブとやり取りしていると横からこちらも金髪にマッチョな

白人の兵士、チャーリーが気さくに語りかけてきた。

 「ああ、頑張るよ」

 正直、顔は普通で明らかに身体能力や財力のスペックはベア子の方

が上だが彼女が俺を好いてくれている。


 その事に関しては俺も報いねばならない、ビルドアップして再会したと

はいえ俺にとってもベア子は初恋の女の子であるからして。

 「良いかボーイ? お互い好きあってるなら迷わず告白しろ!」

 チャーリーが俺の背後を取って背中を流す。

 「・・・・・・お、おっす」 

 いきなりのチャーリーの奇行に驚いたが流れに従った。

 「俺達はお嬢に救われた身だ、お前とお嬢が幸せになる事を願っている」

 真面目に語るチャーリー、ボブも頷く。

 


 何だかんだで体を洗い俺はボブとチャーリーに挟まれて岩風呂に浸かった。

 「テクニックとか考えず、素直に想いを伝えるんだ!」

 「好きあってるんだからまず告れ! デートとかはくっついてから考えろ!」

 いかつい傭兵達が俺にアドバイスをしてくる。


 「お前が来てからこの組織の福利厚生がグレードアップしたんだ」

 「お前とお嬢が幸せになる、それが俺達の幸せにつながるんだムコ殿!」

 「そういうオチか!」

 「俺らもお前も幸せ、皆で幸せになって地球を守ろうぜ♪」

 いかついマッチョな傭兵二人がさわやかスマイルをする。

 

 チャーリーとボブに恋のアドバイスをもらった俺は湯から上がり自室へと

向かった。

 「ああ言われても悩むが、きちんと答えないとな」

 そして自室の前で俺はピンクのジャージ姿のベア子と遭遇する。

 「守君、シャンプーの香りがしますけれどお風呂上がりですの?」

 ベア子が俺の臭いに気付く。

 「ああ、とりあえず立ち話もなんだし俺の部屋に入って」

 「はい、喜んで♪」

 ベア子と一緒に俺は自分の部屋に入った。

 机とベッドと本棚とクローゼットと言う見た目は簡素な部屋。

 「お、お話とは一体?」

 ベア子がきょろきょろと辺りを見回す。

 「ああ、とりあえず一緒にベッドに腰かけて?」

 椅子などがないので二人でベッドに腰かける。

 

 うん、こうして並んで座るとベア子の方が頭一つ分高い。


 「え~っと、俺と付き合って欲しい結婚含めて人生丸ごと!」

 俺はベア子の瞳を見つめて全力で気持ちをぶっこんだ!

 「はい、喜んで♪ 守君の人生をいただきますわ♪」

 ベア子が俺を抱きしめて俺の告白を受け入れてくれた。


 こうして、俺とベア子はカップルとなった。

 これが俺の人生で一番の大仕事だとこの時は思った。


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