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覇龍戦断リュウグウオー  作者: ムネミツ
太陽赤龍グレンナーガ編
7/24

第七話 三十年後の世界で


 「ここが三十年後の世界って、嘘でしょう?」

 巨大なモニターの下にコンソロールが並ぶ部屋に私は通された。

 そこにいた金髪お団子頭でマッチョな女の子と、鍛えてはいるけれど

家の弟に似た地味な感じの男の子から聞いた話に驚きだった。

 「嘘でしょうって言いたいのはこっちだよ、春華おばさん?」

 男の子、守君が私をおばさん呼ばわりするちょっと待って?

 「もしかして、ここが未来の世界で君は私の弟の子供?」

 私は守君に尋ねてみた、嘘だと言って欲しい。

 「ああ、あんたは親父の姉貴で俺のおばさんだ」

 守君の言葉は私の期待を打ち砕いた。


 彼は上着のポケットから小さい機械の板を出して操作する。

 その板はテレビ見たいな画面があって画面にはちょっと良い感じの

男性が驚いた顔をしていた。

 「ま、まさか行方不明になった姉さん? 」

 「父さん、俺にもわからないけれどおばさんが帰って来たみたい」

 画面の向こうの男性と守君の会話から察するに、あの男性は弟の秋月(チューユエ)

 「……もしかして、秋月(チューユエ)? お姉ちゃんだよ、ただいま」

 「……し、信じられんがその声は姉さんだっ! 」

 弟は年をとっても弟だったけど、ここは未来の世界なんだなと思った。

 

 「ありがとう守君、私は地球に帰って来たんだね」

 家族と再会した事で私は心から地球に帰って来たと実感を得られた。


 「感動の再会ですわね、春華さんの密入国やら行方不明の処理やらはこちらで

対処いたします」

 マッチョな女の子がありがたい事を申し出てくれる。

 「ありがとうマッチョさん、受けた恩義は働きで返すわ♪」

 「私はベアトリスと申します、守君のおば様なら将来は親戚ですし龍の戦士

として助け合いは当然ですわ♪」

 マッチョさん、ベアトリスちゃんは頬を染めて言う。

 これで私と肉体年齢同じなんて武術家として体に恵まれすぎてる。

 

 守君は私達のやり取りに口出しをしなかった、この子は場の空気を読む

のが上手なのは弟譲りね。

 かくして、私の日本での新生活が始まる事になった。

 

 翌日、与えられた基地の部屋で目覚める。

 「さて、今日から食客暮らしの始まりね武侠らしいわ♪」

 室内には洗面台があるので手軽に身支度を済ませて部屋を出る。

 自慢ではないが、私の日本語力は結構高い。


 故郷の学校では日本のアニメや漫画を見たり読み書きするクラブにいた。

 甥っ子の守君が私の日本語力の高さに驚いたのはしてやったりだ。

 廊下を歩いて基地の人達に挨拶しながら回れば相手も挨拶を返してくれたのは

いい気分だ。


 基地内の食堂に行き機械で食券を買う、買い物なんていつ以来だろう♪

 ベアトリスちゃんからは当座の資金や生活の為の支度金など工面して貰えた。

 

 戦う事で恩は返そう、今は存分に世話になるという事で受取口で食券引き換えに

定食を受け取った。


 私が体感時間で一週間ぶりにまともな食事、日本の焼き魚定食をいただこうと

席について箸を手にした時にけたたましいブザー音が鳴り響いた。

 

 守君とベアトリスちゃんは学校と言うタイミング。

 でもこの基地には私がいた、敵の好きにはさせてあげない!

 「敵襲! これが本当の朝飯前ね!」

 とはいいつつ、おかずの魚とみそ汁は急いで口に入れてから私は席を立ち

基地の外へと走り出した。


 道中で魚とみそ汁は飲み込んで胃に納めて、外に出ると同時に私は叫ぶ。

 「来たれ、グレンナーガ!」

 空に空いた黒い穴から敵の腐海獣が姿を現す。

 それと同時に基地の上をまるで平たくなった太陽のような赤い炎の輪が

渦を巻いて基地と私の傘になる。


 そして、炎の輪から光の柱が私に降り注ぐと同時に引き上げた。

 私がそうしてグレンナーガの中に入ると同時に炎の輪こと蜷局を巻いていた

グレンナーガが体を伸ばし龍の姿になる。


 私は敵を見る、その姿は触手をくねらせて空に浮かぶ紫色の大きなクラゲ。

 「テレビゲームの敵みたいね、クラゲは木耳で十分よ!」

 グレンナーガの中で私は敵に向けて掌を突き出す。

 それを合図にグレンナーガが口を開け、空を染めるかと思うほどの炎を吐く!


 クラゲの怪物は勢いよく空を跳ねてこちらの火炎放射を避ける。

 「逃がさない!」

 こっちは炎を吐きながらクラゲを追って空を舞う。

 クラゲはこちらの攻撃を避けつつ、触手を伸ばして槍のように突いてくる。

 こちらは敵の攻撃を避け損ねて突き飛ばされるも、撃墜されずに踏ん張った。

 「面倒ね、ならば変形よ!」

 私は叫び、グレンナーガがそれに応じて人型のロボットの姿へ瞬時に変わった。

 敵はこちらを警戒したのか、変形の時には攻めて来なかったけれどこちらの

手番が済んだと見たのか一気に間合いを詰めて攻めて来た。

 「その判断、甘い! 龍炎壁掌(りゅうえんへきしょう)

 グレンナーガの掌を突き出し、炎で巨大な掌型の壁を作る!

 突然目の前に現れた炎の壁に突進を阻まれたクラゲは燃え上がる。


 こうして現れた腐海獣は私とグレンナーガが繰り出したカウンター技で

撃破できた。

 敵の目論見はわからないけれど、様子見だったのかな?

 空を見上げればまだ腐海の門は開いていた、あの門は消さなきゃ!

 「行くよ、グレンナーガ! 炎球弾(えんきゅうだん)!」

 私が両手を頭上に掲げると同時にグレンナーガも同じ構えを取る。

 天に輝く太陽から超高速でエネルギーを集めて巨大な火の玉を作り出す。

 「て~りゃ~~~っ!」

 叫びと同時にその火の玉を門へと向けて放り投げた。

 その一撃は見事にヒットし、火の玉が門に吸い込まれて爆発した。

 炎球弾が爆発すると同時に腐海の門は消えて空は綺麗な青空に戻った。

 「これにて一件落着、帰ってご飯の続き♪」

 私は戦いの前を同じくグレンナーガに光の柱で地上へと降ろしてもらい

基地へと凱旋した。

 基地の皆が拍手で私を出迎えてくれたのは、嬉し恥ずかしだったけどね。


 こうして私、赤春華とグレンナーガは三十年後の世界で新たな戦いを始めた。

 

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