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覇龍戦断リュウグウオー  作者: ムネミツ
覇龍戦断リュウグウオー編
19/24

第十九話 パワーアップへの道 ベアトリスの場合

 「パワーアップですの? 私、手弱女(たおやめ)なんですのよ?」

 書類仕事をしていたベア子にゴルドナーガが語り掛ける。

 「お嬢が手弱女なら、世の娘は皆赤子並じゃ」

 ゴルドナーガだから言えるツッコミであった。

 「女の細腕繁盛記を地で行く私に失礼ですわね」

 「もうツッコまんが、守の小僧を守りたいんじゃろ?」

 「ただちに始めますわ!」

 書類仕事は秘書に投げ、ベア子はゴルドナーガに乗り込んだ。


 列車形態のゴルドナーガを走らせて辿り着いたのはギリシャ風な場所。

 「ここは何処ですの?」

 ベア子がゴルドナーガに尋ねる。

 「ここは、オリュンポスじゃ」

 「私、そのようなふしだらな場所にはいたくありません」

 場所をしたベア子が貞操の危機を感じる、ベア子はギリシャ神話

の神々が性的にだらしがないので嫌いだった。

 「安心せい、お嬢に不埒な真似はさせんしヘラ神の協力は得ておる」

 「正直、オリュンポス神族はどの方も今一つ不安ですわ」

 「そう言わんと、ヘラの林檎園へ行くぞ」

 そして辿り着いた場所は、美しい女性達が世話をする黄金の林檎園。


 ベア子が降り立つと人間離れした美しい女性の一人が籠に入った林檎を持って

近づいてきた。

 「あなたがヘラ様が仰っていた、龍の勇者様?」

 女性がベア子を見て首をかしげる。

 「ええ、日本から来ましたベアトリス・アイゼンバーグと申します」

 ベア子は丁寧にあいさつをする。

 「まあ、ヘラクレス様みたいに逞しいけれど女性なのね♪」

 女性、ニンフが驚きながら笑う。

 「ええ、娘の身ではありますがかの英雄の如く鍛えております」

 ベア子は内心複雑だったが、我慢してニンフから林檎の籠を受け取る。

 「それでは勇者様、林檎を召し上がって我が父アトラスの元へ」

 ゴルドナーガに乗り込み、ニンフに案内されてアトラス山へ向かう。

 

 「これは、体の底から力が溢れて来ますわ!」

 機体の中で黄金の林檎を一個食べたベアの体から生命力があふれ出す。

 「お嬢、こちらにも食わせてくれ」

 いつの間にか操縦席の傍にできていた穴に林檎を入れる。

 「ふおおおおっ! 力が漲る~~!」

 ゴルドナーガが人型に変形し走り出した。

 「私達、あらぶってますわ~~~!」

 ベア子もあらぶった。

 

 そんな彼女達へ一人の筋骨隆々な巨人が巨大な球を放り投げて来た。

 「受け止めますわよ、大事な地球!」

 「応、これが第一の修行じゃ!」

 ゴルドナーガは、巨大な球こと地球を受け取り担ぎ上げた。

 

 激しい重さがゴルドナーガを襲う。

 「これが伝説の試練天球担ぎですのね、この重さは命の重さ」

 黄金の林檎を食い、地球の重さに耐えるゴルドナーガとベア子。

 「……違いますわ、天地を担うのはただ力で担ぐだけではありません」

 ベア子が何かを悟るとゴルドナーガの腕を伸ばし担ぐ体勢から抱きしめる

体勢へと持ち変える。


 「愛の心を持ちて、地球を抱きしめるこれがこの修行の正解ですわ」

 地球を抱きしめたゴルドナーガに地球からエネルギーが注がれる。

 「おお♪ 地球の力と繋がりを感じるぞお嬢、これで敵地に攻め込んでも

地球からエネルギーを得て戦えるし帰ってこれる♪」

 「私も感じます、これなら行けますわ♪」

 ベア子とゴルドナーガが修行の成果を感じると抱きしめていた地球が消える。

 『良くぞ乗り越えた勇者よ』

 父性を感じさせる優しい男性の声が響いた、アトラスの声だ。

 ベア子が巨人を見ると、アトラスは再び地球を担いでいた。


 「ところで、第二の修行とは?」

 ゴルドナーガの中で林檎を食いつつベア子が尋ねる。

 結構重要な課題を解決したがまだ終わりではないようだ。


 「久しぶりだな、ゴルドナーガ♪」

 「誰ですの?」

 何処からか聞こえる声にベア子が問いかけると、天空の彼方から百の頭を持つ

茶色のドラゴンが現れた。

 「お嬢、我が恋人のラードーンじゃ♪」

 「ゴルちゃん、竜座のモデルの方とお付き合いされていたんですの?」

 「久しぶりに組手と行こうじゃないか、私に勝ったら力を貸してやるよ♪」

 「私、本当にヘラクレスの気分ですわ」

 百の頭のドラゴンの名はラードーン、ヘラの林檎園の守護者。

 ヘラクレスに倒されて竜座になった神の獣だ。


 修行の第二ラウンドは、ゴルドナーガとラードーンの対決となった。

 百の頭を操り口から炎を吐いて攻めて来るラードーン。

 それに対してベア子は、ゴルドナーガを操り相手の攻撃を避けつつ勝ち筋を探す。

 「ゴルちゃん、レールを作って縛り上げますわよ!」

 ベア子の言葉にゴルドナーガが同意し機体の両手と足からレールを射出し

ラードーンの百個の頭をレールで縛り一束に纏める。

 これにより、ベア子とゴルドナーガは勝ちを得た。

 「私の負けだ、力になるよ」

 そう言って、ラードーンは五つ首のドラゴンのロボットと呼べる姿に変化した。

 「はい、宜しくお願いしますわ♪」

 ゴルドナーガとラードーンは握手を交わした。


 かくして、ナーガズネストに新たな戦力が加わった。

 

 ロボとなったラードーンは、ゴルドナーガ及びゴルドリュウグウオーの追加武装

として活躍する事となる。


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