シャ○漬け勇者と謎の街①
アウトかセーフかで言ったら、ばっちりアウトです
前回までのあらすじ
転生したらシャブが流通してる世界だった。そんな世界ですっかりシャブ漬けになった勇者と僧侶と戦士と魔導師は、魔王を倒すという名目の元クスリ代を稼ぎに旅をする。
旅の途中一行は変な街に着いた。そこで武装解除を求められ、剣と間違えてブーツを渡すなどのトラブルを起こしながらも彼らは街に入る。
・・・
特に通行料も取られず、俺達は街に入った。
街は随分と賑わっていたが、どこか不思議な様子をしていた。それがどうしてかは分からないが。
「随分と栄えた街だな」
「あーそうね。賑やかだし、ここならいい感じに飛べるものがありそう」
「だが様子がおかしい気がしないか? 勇者」
戦士は首を捻っている。
「今まで通ってきた街とは何かが違うというか……」
「おっさんの勘違いなんじゃないの? 今まで通って来たとこって妙に田舎だったり、集会やってたりだし」
「まあ、そうか……」
勝手に納得したような戦士。俺はといえば目の前にもう一人自分が現れたので睨み合っているところだ。
すると、隣で僧侶が立ち止まった気がした。これが僧侶ならだが。
「ん? どうした僧侶」
街の奥の方をじっと見ている。
「アリファナでも売ってたか? 今の保険要員はお前なんだから我慢しろ」
「いや私じゃねーし。魔導師だし。お前ほんと記憶力死んでるよな」
なんてことを言うんだ。俺の記憶が飛んでるのはいつものことだろうが。
「って、そういえば魔導師は? いなくない?」
僧侶が気付いて辺りを見渡した。
「おっさん隣歩いてたんじゃないの」
「魔導師はお前の隣を歩いてただろう僧侶。勇者も見てたよな?」
「俺の隣にいるのは俺の擬態……そうだろ? これを見ているお前ももう分かってるはずだ、ここが作られた世界であることも、もう一年半も時間が止まってーー」
「勇者。それ以上いけない」
「止まってたとか言うなし。止まってたけど」
何がいけないのか分からん。本当のことだろう。
「あ、あー見なよこれ」
僧侶が空気を変えるように無理矢理左横にある店を指さした。話題を変えられた。
「なんか美味しそうじゃない? 美味そうな匂いするし」
「お、おうそうだな。なんの店だ?」
僧侶と戦士は店の看板に目を凝らす。
「吉……なんて書いてあるのこれ読めない」
「さあ。虹色に光ってることだけは分かる」
「おっさん、それあんまり冗談にならないやつだからね?」
「いやあ美味そうな看板だなあ」
というかこの会話自体そもそも冗談にならない。
とりあえず俺達は魔導師のことを後回しにして、その店に入ってみることにした。
その店が売っているのは異国の料理のようだった。白米? とかいうやつに肉を乗せてるらしい。
「なんだか分からんが美味そうだな。入ってみるか勇者」
「ああ。ちょうど腹減ってたしな」
というわけで俺達はその料理を食べることにしたわけだ。
だがなんだろう、なんだか良くない感じというか、いや料理そのものではなくて、俺達がこれを食べることに関してそれがいいこととはあまり思えないというか。
肉だから美味いのは分かりきってるわけだが、どうしてだろうシャブという言葉が脳裏を掠めるわけで、いや掠めるだけでそう思っているわけではないのだが(必死)
僧侶が率先して入っていくのを見て、これ大丈夫かなと俺は思った。
何故かはわからんが。
牛丼食べようね!




