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わしジジイ、齢六十を超えてから自らの天賦の才に気付く  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


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モンスター部屋

 ディル達は更に探索を進め、第五階層をしっかりと踏破することに成功した。

 だが時間は、思っていたよりかかってしまった。

 第一から第四階層までにかかったのと同じくらいの時間がかかったのだ。

 その原因は、第五階層の広さがあまりにも広かったからである。

 第五階層にはまともな罠がない分、空間がただただ広く、転移水晶までの道のりが長い。

 シアも地図を持っているわけではなかったので、探り探りで行った結果こうなってしまったのだ。



 第五階層の戦闘面での不安はなくなり、転移水晶を見つけてから、ディル達は一度休みを取ることにした。

 基本的に朝に迷宮に入り、日が暮れるまでに戻ってくるという生活。

 ある程度寝る時間は確保できてはいるが、やはり迷宮の内部に長時間いるというのは、ストレスの溜まることである。




 ディル達は第五階層踏破をとりあえずの一区切りとして、丸一日休みを取ることにした。

 彼はとりあえずできた休みを使い、アーティファクトについて色々と調べることにした。


 イナリに自分の考えを悟らせるのは嫌なので、もちろん単独行動である。

 何か物事を調べるためには、やはり冒険者ギルドが最適である。

 ディルは一人でこそこそと、宿を出ることにした。







 冒険者ギルドには、冒険者が閲覧することのできる資料というものが存在する。

 ディルの冒険者ランクでは、まだそこまで大層な情報を得ることはできない。

 だがギアンの街と比べれば、マシな情報を得ることができるはずである。



 特に金を支払うようなこともなく、一通りの情報を得ることができた。

 見れた情報は、出土したアーティファクトとそれが誰に買い取られたかくらいなものだったが、ないよりもずっとマシである。


 どうやらサガンの迷宮で直近に出たのは、魔石を入れれば温度を調節できる魔道具だったらしい。

 迷宮でどのような物が出れば冒険者達の意欲も上がると考えられているのか、結構な量の記録が残っている。


 ディルは本を取っては近めたり、離したりしながら、なんとか文書を読んでいく。

 アーティファクト出土の頻度は、そこそこ高い。

 価値や内容のことを考えなければ、二三日に一度は出ている計算だ。


 だが実際に出てくるものは、かなりピンキリである。

 魔法が使えるようになるような高価なものもあれば、何に使えるかわからない謎の金属の塊のようなものもある。

 ディルがお目当てのアーティファクトについての欄を見つけたのは、昼下がりになり太陽が下り始める頃だった。



 そこに書かれていたのは、オークションに出されたという一品についての情報だった。

 治癒のアーティファクトという名称のその品は、なんでも病気や怪我等のあらゆるものを治すことができるらしい。

 どうやってその効能を鑑定するのかはわからないが、やはり実際に出ることもままあるらしい。



 その品が出たのは、約半年ほど前のことだった。

 出た場所は、サガン迷宮の最下層、三十階層にいるボス部屋らしい。


 迷宮には、モンスター部屋やボス部屋と呼ばれる特殊な場所がある。

 前者にはたくさんの魔物が、そして後者には強力な魔物が出現する。

 この二つにおいて魔物を倒した場合、稀に地面から宝箱がせり上がってくる。

 有用なアーティファクトは、強力な魔物を倒した方が出やすいとのことだ。



 明日から潜ることになる第六階層からは、モンスター部屋がある。

 大量のモンスターと戦闘をすることにはなるが、得るものも大きいようだ。



 ディルはその後も資料を漁ったが、やはり有用なアーティファクトを狙うなら、二十階層以降にあるモンスター部屋かボス部屋を狙わなければ難しいようだ。



 それならば明日は、とりあえずモンスター部屋に入ってみることにしよう。

 ディルは明日すべきことをしっかりと決めてから、冒険者ギルドを後にした。


読んでくださりありがとうございます!


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[一言] ここまで一気読みした全体の感想 コンセプトは面白いし話の内容も1~5(つまらない、ややつまらない、普通、やや面白い、面白い)の5段階評価を点けるなら4を点けるぐらいには面白い。 ただ誤字脱…
[良い点] かなり面白い [気になる点] 面白すぎて一気に読んでしまったし、次の更新が気になって待ちきれないのがこの小説の悪いところ、ハマってしまうとおじいちゃんの事しか考えられなくなり、最終的にはジ…
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