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わしジジイ、齢六十を超えてから自らの天賦の才に気付く  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


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強敵との戦い


 さて、ディルは昇級バトルに勝利することで、無事に級から冒険者生活を始めることができるようになった。


 に級はジガ王国でいうところのCランク前後、冒険者の中ではベテランとされる等級だ。

 色々と魔物の情報や昨今の情勢などの閲覧権限もある程度解放されているため、ディルはまずは情報収集をしていく。



 まず最も最初に知るべきは、この相羅そのものを取り仕切る加賀美家についてだ。

 まず現在の当主の名は加賀美ハルチカ、年齢は四十前後で隻眼のナイスミドルだという。

 彼は刀の達人であり、自宅には刀を造ったり修理するための工房があるほどの刀剣の愛好家らしい。

 珍しい剣には目がなく、珍品が入荷すれば家に武器商人を呼ぶことも多いらしい。


(となると、この剣が役に立つ日がくるかもしれんな)


 腰に下げている黄泉還し(トータルリコール)

 人を老いさせたり若返らせたりするこの剣は、恐らくは加賀美家当主の興味を引いてくれることだろう。

 けれどできればそれは最後の手段にしておきたいところだ。

 この剣ばかりは、どれほどお金を積まれても譲るつもりはないのだから。


 他に役立ちそうな情報はないかと魔物の情報なんかにも目を通していく。

 中には通常の魔物と同程度の妖怪の討伐依頼があった。

 どうやらヤポンにおいては、妖怪とは非常にポピュラーな存在らしい。


 イナリを治すための薬の材料になりそうな魔物もいなかった。

 どうやら相羅において出てくる魔物の中に、ディルのお目当ての魔物はいないようだった。

 だがディルには大した伝手も無く、上の立場の人間と話ができるようなルートがない。

 直談判をしても加賀美家のものと直接話ができるようになるとも思えない。


 それならば、冒険者としてやることは一つだ。

 色々と考える前に、まずは身体を動かす。


 相応の槍働きをすれば、それだけで上の人間と通じる道は開かれるはずだ。


 ディルは手っ取り早く実績を作る必要がある。

 十日後までに事態をなんとかしなければいけないと考えると、あまり遠くまで行くこともできない。

 往復の道のりも考えると、何か一発で強力な魔物でも倒す必要がありそうだた。


 本来の自分のに級よりも上位にあたる等級の冒険者の者達が受ける、より凶悪な魔物達の記された依頼書に目を通していく。


 中でもディルが目を留めたのは、最近人通りのある場所に現れ、人を攫っていくらしいグリフォンの討伐依頼だった。

 どうやら近隣の街に出没するらしく、グリフォンのせいで往来が止まりかけていて大変迷惑を被っているらしい。


 もしグリフォンを討伐すれば、何重もの意味で人助けになってくれることだろう。


 自分が戦ったことのない、未知なる強敵。

 空を駆ける魔物との初めての戦闘に、ディルは挑むことを決意するのだった。


「イナミちゃん、この依頼を受けたいんじゃけど……」

「はい、ええっと――グリフォン討伐っ!? そんなこと、できるわけないじゃないですか! 見て下さい、ここっ!」


 イナミが指し示しているのは、グリフォンの討伐依頼の受注資格について記された部分だった。

 等級がろ級より上の冒険者しか受けることができないため、今のディルには依頼の受注は不可能らしい。


 だがそれならそれでやりようはある。

 ディルは冒険者。


 死に損だったり人に迷惑をかけさえしなければどんなことをしても許される、誰にも縛られぬ自由な職業人なのだから――。


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