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わしジジイ、齢六十を超えてから自らの天賦の才に気付く  作者: しんこせい(『引きこもり』第2巻8/25発売!!)


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コルネリウス


 『黒き雷』のリーダー、コルネリウスは最近では何度訪れたかわからないギルドの会議室で、他のパーティー達へ戦闘の様子を伝えてくれた。


「大きさは俺たちより一回りデカいくらい。周囲にはソルジャールビーアントを大量に従えてた。俺の勘違いだったら悪いが、気持ち他のソルジャールビーアントより色が明るく、強かったかもしれない」


 彼はまだダルそうにしている身体を動かしながら、戦闘の状況を伝えてくれた。

 『黒き雷』が第二十六階層でルビーアントたちの遭遇を待っていた時のこと。

 いきなり一際大きなルビーアントが現れ、戦闘に突入したのだという。

 どうやら彼のパーティーの斥候は、当たる直前までマザールビーアントに気付くことができなかったようだ。

 なにかしら魔力や気配を隠蔽する術を持っている可能性が高い。

 今後マザールビーアントを識別するには、集団で動いているソルジャールビーアントを目印にする必要があるだろうという結論が出た。


 戦った彼らから見て、マザールビーアントの戦闘能力はどれほどだったか。

 その戦闘能力はかなり高く、複数パーティーで当たらなければ討伐は難しいだろうとコルネリウスは渋い顔をしながら答えてくれる。

 彼らだけでは、一当てして即座に逃げの体勢に入っても、転移水晶に触れるので精一杯だったらしい。


 マザールビーアントの甲殻は刃が入らないほどに硬い。

 コルネリウスが使うミスリルの剣と同じ硬さというから、硬度はかなりのものがあるのだろう。

 もし近くからまともに打ち合うのなら、オリハルコンかヒヒイロカネの剣が必要だろうという話だった。

 そのため体節や関節の継ぎ目を狙う必要があるのだが、動きがかなり素早いためにそれも難しいとコルネリウスは言う。


 彼の説明に、イナリとディルは視線を交わし、互いに頷き合う。

 ディルの黄泉還り(トータルリコール)ならば、マザールビーアントの硬い甲殻にも傷をつけることはできる。

 そしてディルの『見切り』があれば、マザールビーアントの甲殻の隙間に剣を差し込むことができる。


 ただし、ディルには体力的な制限があり継戦能力には不安が残る。

 また、『見切り』を使ったとしても大量のルビーアントに襲われればそれを避けるためにスキルを使わざるを得ず、マザールビーアントへ加える攻撃は捨て身のものになりかねない。

 そのために使えるのは、やはりイナリの毒だ。

 イナリの毒でルビーアントを抑え、他の者たちがソルジャールビーアントを抑える。

 そしてディルと他の近接職の人間で、マザールビーアントを伐つ。


 恐らくはイナリも同じ考えだったのだろう。

 彼女は立ち上がり、ディルが思っていたこととほとんど同じ意見を提出した。

 イナリの意見は受け入れられる。


 ソルジャールビーアントの数が順調に減り、戦場にマザールビーアントが出てくるようになったことで本来の作戦遂行の芽が出てきた。


 ある程度ルビーアントたちの情報が出揃ったと判断し、冒険者たちは作戦を次の段階に移行。

 深層冒険者たちはマザールビーアント討伐組とソルジャールビーアントとルビーアントたちによる階層侵食を止める防衛組の二つに分かれることになった。


 以後ディルとイナリ、黒騎士の三名が討伐組へ、そしてウェンディは防衛組へ振り分けられ、別行動を取ることになる――。


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