7/10
夢の後
朝、眼が覚めると何故か体が火照っていて、ぐっしょりと汗をかいていた。胸がざわついて仕方がなかった。
俺は夢で何を見て、何を感じていたのだろうか。わからない…でも、もう少しで…………
そうこうしていると、そろそろ職場に出掛ける時間になった。
何か忘れているな、と思った時だった。
突然、玄関のインターフォンが鳴った。
「はい…?」
「かずくん。助けて……」
沙織だった。
聞いたこともないような、抑揚のない声だった。
これはただ事ではないと思って、慌ててドアを開けると、そこには顔を真っ青にした沙織が立っていた。