輪廻のカーネーション
背中越しに見える 母の痛みに
僕らは瞼を伏せて 花を差し出す
消えゆく面影 素敵な季節と
あなたに零れた涙へ カーネーション
夜の空へと 舞い落ちる雨粒
今も同じ 星を見ていますか
生まれ変わり 塵と消えても
あなたのもとへ 授かりたくて
思い出すほどに 泣きだして
幼い頃へ 帰る
あなたの笑顔 いつまでもって
笑わせようと 無理したって
思い出すほど 切なくて
言葉にならない
手作り料理の 香りがやけに
胸へと染み入り 夢の最中へ
皺のある掌 どうして隠すの
僕らを育てた 両手を
春の夜空へ 舞い落ちる雨雫
今も同じ 月を見ていますか
生まれ変わり 露と消えても
あなたのもとへ 宿るのが
それが決められたものならば
もう一度 あなたの胸元へ
あなたの泣き顔 見たくなくて
頬に伝う雫 拭いて
忘れたいこと あるのならば
今日は花束に包まれて
生まれ変わり 砂と消えても
あなたのもとへ 帰るのが
僕らが望むものならば
今一度 あなたの手の中へ
あなたの困り顔 見たくなくて
笑わせようと 努力したって
いつまでもだって 通じないこと
あるのが やけに辛いのさ
生まれ変わり 土に還る
その時まで 想えるのが
あなたの限りない愛情
どうか消えないでいて
あなたの笑顔 もう一度
無邪気なままで 見せておくれ
近づいてくる エンディングロール
その前に花束を抱えて 笑っていて