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柿の種  作者: ぺんぎん
7/8

第7話 「舘」




ミノリ「ふーーー、、、疲れたぁ!!」



はあはあ、

かなり登ってきたが、、、

まだまだ道は続いている。



シノブの言っていた恐ろしい魔物にも

出会うことなく、順調に登ってきたが


頂上にたどり着く気配はない。




ミノリ「あ!!家があるー!!」



ミノリが指さした先には、

木でできた、古びた小屋が

建っていた。



空も暗くなってきたし

疲労も溜まっている。


今日はここで休もう。



イザナミ「ミノリ、今日はここに泊まろう」


ミノリ「いえーす!!」



ギィィ

かなり傷んでいるな

ギシギシ

床も抜けてしまいそうだ。



薄暗い小屋の中に

ろうそくが見えたので

近くに置いてあった

マッチで灯りを灯した。




ミノリ「わお!」



灯りが灯ると、想像していた以上に

高価な家具の置かれた部屋だということがわかった。


天井からはシャンデリアが

長いテーブルに

赤いクッションと金色の縁のイス

奥には暖炉もある



まるでお城の中のような

光景が広がっていた。



ひとつ気になったのは

ところどころに

木彫りのフクロウの人形が

飾られていたことだ。


その数は、数百、数千、無数のフクロウの人形が

部屋には飾られていた。




「お客様、おふたり様で?」



ビクッ


また、気配はしなかったぞ、、、



部屋に目を奪われていた私たちに

黒いチョッキを来た、ウェイター?が話しかけてきた。



ミノリ「おふたりだよー!」


イザナミ「こら、ミノリ、、まだ信用できるかどうか、、、」



ウェイター「かしこまりました。こちらへ」



ウェイターは私たちを金色の縁の椅子へ案内した。



ウェイター「お決まりになりましたら、お呼びください。」



そう言って、メニュー?を置いて、奥の部屋へと姿を消した。




メニューには、

パスタやハンバーグ、魚を煮たものや

ケーキまで、色々なものが載っていた



山のキノコと野草のクリームパスタ

とろけるチーズ豆腐ハンバーグ

とれたてヤマメの塩焼き

木の実をのせたチョコレートケーキ


などなど、、、



こんな、山の途中に

ぽつんと建っている小屋が

こんなに、オシャレな料理を

出してくれるお店だったとは

想像もつかなかった。




イザナミ「ミノリ、決まったかい?」


ミノリ「うん!わちきは生野菜のチーズフォンデュにするのらー!」



イザナミ「そうか、そしたら、私もそれにするよ。」



ウェイター「お決まりですか?」



イザナミ「あ、、ああ、生野菜のチーズフォンデュを二つお願いしたい。」



ウェイター「かしこまりました。少々、お待ちくださいませ」



そう言って、また奥の部屋へと姿を消した。


しばらくして料理が出てきた。



ミノリ「わおーー!おいしそう!」



ウェイター「お熱くなっております。お気を付けてお召し上がりくださいませ。」



ミノリ「ありがとー!いただきまーす!ふー、、ふー、、はふはふはふ、、、」



イザナミ「ミノリ、、そんなに急いで食べなくても、、」



お腹が空いていたのだろう。

昨日から、飲まず食わずだったしな。無理もない



ミノリ「もぐもぐ、むしゃ、おいしー!!」



ウェイター「ありがとうございます。」




生野菜をチーズに付けて

かじると、パキッと音を立てて折れ

噛むと、甘みがにじみ出て

香りがふわっと口の中に広がった。

おいしい。



ミノリ「おじさん、なんでこんなところでお店やってるの?」


イザナミ「こ、こら、失礼だぞ」



ウェイター「ここを進む人の、憩いの場を作りたくて。もう、50年になります。昔は、もっと明るくて、人もたくさん来るお店だったのですが、今は、ぽつりぽつりとしかお客様も来られません。いつのまにか、こんなに寂れてしまって、、、しかし、今日はおふたりが来てくださったので、、、ありがうございます。」



イザナミ「いえ、こちらこそ、、こんなにおいしい料理いただけるなんて思ってもいませんでした。」



ミノリ「おじさん、ありがとー!」



ウェイター「ええ、ここにたどり着いたといことは、この先にいかれるのでしょう?」


イザナミ「ええ、」


ウェイター「この先に何があるか、ご存知ですか?」


イザナミ「いえ、知らないのですが、この子の故郷を探してまして、場所はわからないのですが、、、」


ウェイター「そうでしたか、、、おふたりは久しく見ぬお客様なので、特別に、この先のことをお教えしましょう。この先の頂きには神社がございます。しかし、たどり着くことのできない神社です。」



イザナミ「たどり着けないというのは?」



ウェイター「この先には神社があると言われている。しかし、たどり着いた者がいないのです。」



イザナミ「それは、恐ろしい魔物がいるからでしょうか?」



ウェイター「違います。この先には魔物など存在していません。魔物がいるとしたら、たどり着きたいという心、、、たどり着きたいと思えば思うほど、神社が遠くなっていく。欲望を抑え、無になった者だけが神社にたどり着けると言われています。欲望が惑わせるのです。そして、間違った道へと誘っていく。。。いつまでもたどり着かない恐怖に、登山者は下山を選ぶのです。」



ミノリ「へえ!楽しそう!無になるのらー!」



ウェイター「ほほほ、、お嬢さんならたどり着けそうだ。」



ミノリ「ありがとー!」



ウェイター「これを持っていきなさい。これを持っていれば迷った時、道を教えてくれる。かつて私が使っていた杖だ。困ったら杖の倒れる方へ進めばいい。」



イザナミ「すまない。」



ウェイター「いや、いいんだ。私は老いてしまった。若い者たちに夢をたくしたいんだ。」



イザナミ「必ず辿りついて、神社のこと話に来ます。どうもありがとう!」


ミノリ「ありがとなのらー!」



ウェイター「うんうん、今日はもう遅い、、、泊まっていきなさい。」

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