表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/103

メイド? 忍者? シヴィちゃん

 あっさごはんー。今日はなんやかんやで食べてなかったからお腹がぺっこぺこだよぉー

 今日はどんな朝ご飯かな? 昨日は大変だったけど、もう原因は取り除いたし、きっと美味しい料理が出てくるはず。


「おはようございます」

「あ、おはよ――」


 あれ? この人は誰だろう?

 真っ白なツインテールに、緋色の瞳。とっても綺麗だけど、頭にぴょんとネコ耳が生えているよ。

 こんなメイドさん、いたかな?


「どういたしましたか?」

「えっと、あなたは……?」

「最近入ったばかりのメイドでございます。名前はシヴィでございます」


 シヴィちゃんはそういって丁寧にお辞儀をしてくれた。

 うーん、それにしても新しいメイドさんが入ったなんて聞いてないなぁー。しかも、猫の獣人さんだなんて。リフィルさんの報告が遅れたのかな?


「魔王さま、どういたしましたか?」

「え? あ、いや、なんでもないよ」


 ま、いっか。

 新しいメイドさんが入ったことは、シィちゃん達に後輩ができたってことだし、きっといいことだよ。


「あ、そうだ。新人さんって他にもいるの?」

「はい。私以外に二人おります」


 じゃあ、したっぱメイド隊のみんなと同じ人数だね。

 あ、でもこれだとみんなはしたっぱじゃなくなるか。うーん、だとすればこれからどう呼べばいいかなぁー?


「魔王さま、これからお食事でございますか?」

「うん、そうだよ」

「それではご一緒させていただきます。ちょうど言いつけられた仕事が終わったところですので」


 シヴィちゃんと一緒に移動かぁー。なんだか新鮮だよ。

 そういえば、ちょっと前まではシィちゃんと一緒に部屋まで歩いていったなぁー。まだそんなに経ってないのに、懐かしく感じちゃうよ。


「見つけたー!」


 そんなことを思っていると、とても大きな声が響いた。

 顔を向けると、そこには下着姿のシィちゃんの姿がある。


「シィちゃん?」


 どうしてあんな姿をしているんだろ?

 キョトンとしていると、シィちゃんは「マオ様、離れてください!」って叫んだ。


「この泥棒猫め! 私の作業服を返せぇぇ!」


 シィちゃんの足元に赤い円陣が広がる。それどころか、どんどんと円陣が生まれて連なっていく。

 って、ちょっと待って! 見たことがないけど、それってとんでもない魔法だよね!?


「ふふふ、ばれてしまいましたか」


 シヴィちゃんは不敵に笑う。それと同時にシィちゃんが容赦なく魔法を解き放った。

 とんでもなく大きな火球が迫る。私がいるのに、遠慮なしだよ。


「きゃあ!」


 だけどシヴィちゃんが何かを投げた。途端に大きな爆発が起きて、私は横にふっとばされてしまう。

 もー、何が起きたのっ?


「あら、せっかく奪い取った服がボロボロになってしまいましたね」

「この、返せぇぇ!」

「返してあげますよ。こんなもの」


 シヴィちゃんはそう言ってメイド服を脱ぎ捨てた。でもその下には、どこかで見たことがある忍者服がある。

 あれ? これってもしかして――


「ニャニャはどうやらしくじったようね。ま、最初から期待はしていなかったけど」


 怪しく笑うシヴィちゃん。

 ま、まずいかも。この子、たぶんニャニャちゃんの仲間だ。


「おっと、逃げちゃダメだよ」


 わっ、何かが投げられた。えっと、これはクナイ? 私の服ごと壁に刺さってる!


「これで逃げられないでしょ? 魔王さま」


 え、笑顔が怖い。

 とーってもヤバいかも。


「一応、言っておくよ。この距離からなら、あなたが何かしようとしても簡単に命を奪い取ることができるから」

「うっ……」

「ふふふー、王手ってところかしら?」


 どうしよう……。セバスチャンさんはいないし、シィちゃんは冷静な判断ができないし、かといって私だけじゃどうにもできないし。

 ホントに詰んじゃっているかも。


「さて、魔王さま。死んでくれます?」


 やばいやばいやばい。

 このままじゃホントに殺される。でも手の打ちようがないし。

 どうしよ、考えているうちにシヴィちゃんが近づいてくるよぉー!


――ポチッ。


「何?」


 あ、そういえばこのお城って、トラップだらけなんだった。

 もしかして今の音、そのトラップが発動したんじゃあ――


「え?」


 シヴィちゃんの足元がぽっかりと開いた。思いもしなかったことか、シヴィちゃんは「こんなのありー!」って叫びながら落ちていく。


「…………」


 た、助かった。でも、何だろう。なんだか拍子抜け。

 ま、まあ、どうにかなったし、いっか。


「私のメイド服ぅぅ!」


 シィちゃんは泣いていた。だって、脱ぎ捨てられたメイド服も、シヴィちゃんと一緒に落ちていっちゃったから。

 私はそんな姿を見て、少しだけ哀れんだ視線を送る。そして、こんな決意をした。

 シィちゃんに、特別手当てをあげよう。


二人目の忍者、シヴィが登場! だけどあっけなく退場してしまった。

マオちゃんに迫る刺客は残り一人。一体どうなってしまうだろうか!?


それは次回のお楽しみ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ