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マオと予期せぬトラブル

 ミーシャの恋は上手くいくのかな?

 うーん、どう考えてもダメな気がする。というか、ヴァルガンさんにはファイさんって人がいるし。だけどそのことをどう伝えればよかったんだろ?

 難しいなぁー。たぶん言っても聞いてくれなかっただろうし。


「マオ様、手が止まっていますよ」

「ひゃっ!」


 耳にフッて息がかけられる。もー、変なことをしないでよ。おかげで変な声が出ちゃったじゃない。


「このままだとお昼になりますよ?」

「え? そんな時間なの?」

「はい、そんな時間です」


 そんなぁー! これじゃあ朝ご飯が食べられないじゃない!

 ご飯は私にとって大切なんだよ? 育ち盛りだから食べなきゃいけないんだからね!


「泣いてないで手を動かす!」

「ひぃーん」


 うう、なんで今日はこんな目に。いつもならとっくに朝ご飯を食べているのにぃー。

 はぁー、誰か来ないかな? 気休めにでもいいから何か起こってほしいよ。


「大変です!」


 そんなことを思っていると、扉が荒々しく開かれた。そこに立っていたのはシィちゃんだ。


「おや? どうしましたか?」

「それが、とんでもないことになって、それで、それで!」


 何だかとても慌てている。どうしたんだろ?


「落ち着きなさい。そして簡潔に用件を言ってください」

「は、はい!」


 シィちゃんはスーハーって、大きく深呼吸をして落ち着く。そして今起きているとんでもないトラブルについて話し始めた。


「カアたんが、ストライキを起こしました!」

「なんですと!?」


 え? カアたんがストライキ!?

 って、どういうこと何だろ? 状況が全くわからないんだけど。


「なぜ、そんなことになったのですか?」

「それが、ボーナスが入っていないということで。それで怒ってストライキを」


 セバスチャンさんは頭を抱えていた。一体何がどうなっているのか、私は全くわからない。


「先日の件についてですね。全く、困ったカッパさんだ」

「どうしましょう? メイド長にも相談しましたが、今月は厳しいと言われちゃいましたし」

「どうするもこうするも、どうにかするしかないでしょう?」


 う、うーん。なんだかセバスチャンさんがとても困ってる。

 お金って、それだけ大切なんだなぁー。まあ、私は今お休みがほしいんだけど。


「仕方ない。マオ様、少しお出かけの準備をしてください」

「はい?」

「銀行に行きます。そこでどうにか手を打ってもらいますよ」


 そう言ってセバスチャンさんは何かぶつぶつと呟きながら出ていった。

 なんだかわからないけど、やった! 仕事が終わったよ! しかも一度も言ったことがない所に行くし、いいこと尽くめだよ!


「マ、マオ様……」


 あれ? シィちゃんがとんでもなく悲しそうな顔をしてる。

 あれあれ? なんだかわからないけど「ご武運を」って祈られてるよ?


「え、えっと。危ないの?」

「はい、危ないです。おそらくですが、マオ様は何かを失います」


 えー! 何それ、聞いてないよ!?


「何かって何なのっ?」

「えっと、とーっても遠い魔王さまが、お金を借りるために社会的な抹殺を受けたという伝説を聞きましたよ」

「何それ!? 私、社会から消されちゃうの!?」


 そんなのヤダよぉー!

 なんでそんな所からお金を借りないといけないの? もっと安全な所から借りようよ!


「まあ、私達は世界の敵ですし、まともに取り合ってくれませんからね。ですから非合法な銀行にしか借りることが――」

「だからって、そこまで身体を張る!?」


 このままじゃあヤバい。何が危ないのかわからないけど、とにかくヤバいよ!

 逃げなきゃ。セバスチャンさんに気づかれる前に、どこかに逃げなきゃ。


「シィちゃん」

「は、はい?」

「さようなら」


 とびきりの笑顔と共に私は床を蹴った。直後にシィちゃんが「そんなご無体なー!」って叫んでいたけど、気にしない。

 だって私はまだ、死にたくない!


「んだばっ」


 あれ? 何もないのに何かにぶつかった。

 何これ? もしかしてまた結界!? そんな、なんでこんな所に結界なんかが――


「ハッ」


 まさか、セバスチャンさんが逃げないように置いたんじゃあ。そんな、そこまでしてあの人はお金がほしいの?

 私のことはどうでもいいのぉー!?


「マオ様」


 シィちゃんが声をかける。私は、ゆっくりと錆びついた首を動かした。するとそこには、ニタリと笑っているシィちゃんの顔があった。


「ひぃっ」


 本能的に告げる。捕まったら終わるって。


「お着替えしましょうか」

「ヤ、ヤダ。私、まだ仕事が――」

「魔王軍の存続のためです。尊い犠牲になってください!」

「いぃやぁー!」


 シィちゃんが飛びかかってくる。私はどうにか逃げようとするけど、簡単に捕まってしまった。それからは拘束魔法にかかって、強制的に着替えさせられて、そのまま私はセバスチャンさんに引き渡されてしまう。

 私は忘れない。シィちゃんの満足げな笑顔を。


思いもしないトラブル発生! お金を借りに行かなきゃいけなくなったマオちゃんだが、その銀行はとんでもないかもしれなかった。


魔王軍存続のために頑張れるのか?

そして無事に帰ってこられるのか!?

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