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交渉! 後悔? ダマーシィさん

本日2時頃にも更新をいたしました。

まだ見てない方はそちらもよろしくね。

「まらまらイケるわよぉー。ジジイ、もっとのみらさいー」

「ひっく。あんら、なんでそんらに強いんだぁー。ひっく」


 いい感じに酔っぱらってる。うん、これなら余計なことをして弱らせる必要はなさそう。


「よし。みんな、手筈通りにやるよ」

「それにしてもいいのですかー? 騙すようなものですしー」

「んなこと気にするなっての、ニィ。あいつはどうせ俺達から金を搾り取るだけ取ろうと考えてたジジイだし」

「そうです。ただのお洋服に高額請求をしようとしていたのですし!」


 まあ、ちょっとかわいそうかもしれないけどワーウルフのみんなを助けるためにもやらなくちゃ。

 よし、まずはっと。


「シィちゃん、お水とお酒、持ってきた?」

「はい。ちゃんとたっぷり持ってきましたよ」

「よーし。それじゃあ二人はタイミングを見計らってきてね」

「はーい」

「へーい」


 私はシィちゃんと一緒にダマーシィさんの元へと向かう。未だにとても強いワインを飲んでいるリフィルさん。でも呑み続けていたせいかとてもベロンベロンになっちゃってる。ダマーシィさんはというと、もう頭を上げていられないほど酔っぱらっちゃってるなぁー

 でもこれならいい感じに交渉が進められそう。


「ごほん。ダマーシィさん、起きてますか?」

「はぁん? あんらは、魔王らないかぁー」


 うひゃ、お酒臭い! どんだけ飲んだのかな?

 まあいいや。とにかくお水を渡そう。


「お水を用意しましたよ。飲みますか?」

「おお、ありゃらとう!」


 ゴクゴクと飲んでいくダマーシィさん。するとちょっとだけ頭が冴えたのが目をパチパチとさせていた。


「いやー、ありがとうございます。まさかあなたにこんな親切を受けるとは」

「いえいえ。それよりも頼みたいことがあるんですけど」

「なんれしょうか? ちょっとしたことならいいれすが?」

「ワーウルフの子供達をお譲りしてほしいんですけど、いいですか?」


 こんなことをいうとダマーシィさんの目がキリッとなった。なんだか酔いが醒めたみたい。


「な、何をバカなことを!」

「あ、もちろんタダでとはいいませんよ。そうですね。全員合わせて一〇〇〇ゴールドでお譲りしていただきたいんですけど」

「何ですと!? そんな商談に乗るとお思いですか?」


 だよねー、ダメだよねー

 でも、私達にはしっかりとした切り札がある。そう、リフィルさんという酒豪が!


「それじゃあ、このままリフィルさんと飲んでもらいますね」

「え?」


 私の合図に合わせてニィちゃんとミィちゃんが現れる。その手にはとーっても強いお酒があって、たぶん普通の人は臭いを嗅いだだけで倒れちゃう代物だ。

 それを見たダマーシィさんは顔を青白くさせていた。


「えっとー、確かこれは世界で二番目に強いお酒だと書いてありましたねー」

「さっきのワインと違って口当たりも悪いらしいからな。飲めばたぶん死ぬんじゃないか?」

「真なる酒豪なら飲めるでしょうねー。でも、おじいさんはどうなんでしょうかー?」

「別にいいんじゃね? 老いぼれているんだし、早かれ遅かれ死ぬっつーの」


 チラリっと様子をうかがうニィちゃんとミィちゃん。私とシィちゃんもジッとダマーシィさんの様子をうかがう。するとダマーシィさんはとんでもなく焦っているのか、滝のように汗を額から流していた。


「そ、そんな酒がうちにある訳が――」

「なら飲んでみるか?」

「飲めば一発でわかりますー」

「あ、どうせならメイド長と一緒に飲み比べしてもらいましょう」

「そうだな。そうすれば納得するだろうし」

「それにあーだこーだ言わなくなりますしー」


 追い詰められていくダマーシィさん。たぶん、今の状態で飲めばどうなってしまうのかわからなくなるのは明白だ。


「ねぇ、ダマーシィさん」


 だからいいタイミングで私は声をかけてあげた。

 そして用意していた紙とペンを出して、笑顔を浮かべてこんなことを囁く。


「サイン、してくれる?」

「……はい」


 ダマーシィさんは観念したようだった。

 さらさらと契約書にサインしてくれる。こうしてダマーシィさんと契約を交わした私達は一〇〇〇ゴールドでワーウルフの子供達を買い取ったのだった。

 ちなみに私が買ったバスケットいっぱいのパンと相殺したのでタダなのです!

 ただセバスチャンさんに怒られちゃった。無駄に人が増えたからだとかどうどか言われちゃったよ。でも人が増えたし、連れて帰ったらゴブタさんも喜んでいたし、やっぱりよかったかも。

 何にしても明日から賑やかになるぞー!


◆◆ダマーシィ◆◆


 くぅ、まさかあの方へ送るワーウルフのガキ共が取られてしまうとは。これは舐めていましたね。

 こうなればワーウルフのガキ共よりいい代物を送らなければ。


「ちょっとジジイ! 手が止まっているわよ!」

「はいぃー! お酒を注ぎますからお許しをォー」

「わかればいいろよー」


 くぅー、小娘共め、覚えていろよ!

 必ずやこの仕打ちを倍以上にして返してやる!


マオちゃんはこうしてワーウルフの子供達を仲間にしたのでした。

でも何やら怪しい動きがあるみたいだ。


次回は明日の午後2時頃に更新予定です。

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