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かわいいワーウルフ

ちょっとだけ調子がいいので頑張りました。

よかったら読んでね!

「申し訳ございません魔王さまー」

「まさか商人如きに操られるとは思ってもなかった……」

「お願いします! 給料だけは、給料だけはぁー!」


 したっぱメイド隊のみんなにかかっていた催眠魔法が解けたみたいで、みんなとても申し訳なさそうにしていた。シィちゃんはとてもブルブルと震えていたけど、かわいそうだから許してあげたんだ。

 でもちょっとだけ「どうしようかなぁー」って意地悪したらホントに泣き出しちゃった。そんなに大変なのかなぁー?


「ま、みんな元に戻ったし早いところセバスチャンさんを助けに行こう」

「そうですねー。商人さんはメイド長に任せていきましょうかー」

「今のメイド長には関わりたくないしな」

「たぶん、絡み酒にあってしまいますね」


 リフィルさん、お酒に強いんだけど酔っぱらうととんでもないんだなぁー。ゴブタさんもあの時、深酒しなかったのもなんか理由がわかったし。

 それにしてもセバスチャンさんはどこにいるんだろ? あの暗い部屋から脱出したけど、通路にはたくさんの扉があるし。


「わからないですし、こうなれば片っ端から開けていくしかないですね」

「何があるかわからないのにか?」

「シィの言う通り、やるしかなさそうですねー。いつまでもメイド長が足止めをしているとは思えませんしー」

「よーし」


 そうなればまず手前の扉から開いていこう。

 ここにセバスチャンさんがいればすぐに帰れるんだけど。


「失礼しまーす」


 軋んだ音を立てながら扉を開く。するとそこには、たくさんの子供達がいた。

 一斉に注目を浴びる私。なんだかよくわからないけど、この子供達は何なんだろう?


「どうしました?」

「えっと、たくさんの子供達がいて」

「子供? どれどれ?」


 ゆっくりと足を踏み出していくミィちゃん。すると突然、子供達は大きな呻き声を上げ始めた。


「な、なんだぁ!?」


 差し込んでくる月明かり。それと共に子供達は姿が変化する。

 ふかふかの毛に、ピョンと立った耳。そしてかわいらしく「きゅーん」と鳴くその姿は、まさに子犬だ。


「きゃー! 何このかわいいの」

「キュートですー! かわいすぎますー!」

「抱っこしていい? いいよね、ね?」

「お前ら! あと魔王さま落ち着け!」


 何このかわいいのー!? すごい、さっきの子供達とは思えないよー!

 ん? そういえばこの子犬、さっきは人の子供だったよね? あれ、でも今は子犬で――


「あー、こいつらはワーウルフだな」

「ワーウルフ? もしかして半獣とかそういうのですか?」

「ああ。世界じゃあ珍しい人種って奴だ。おそらくさっきのジジイが取引材料として捕まえたガキ共だろうな」


 ひどい。そんなことをするなんて。


「ま、これも商売なんだろうな。あまりにも非合法で真っ黒だけど」

「ひどすぎるよ! そんなの許せない!」

「じゃあどうするんだ? 魔王さま。いくらなんでもこいつらを連れて逃げるなんてできないぞ? そもそもこいつらは商売道具。向こうに取っちゃ商品でしかないし」


 むぅー、確かに連れて逃げるなんてできないか。例えセバスチャンさんを助けたとしても、どうにかしてくれないだろうし。

 あ、でも――


「ねぇ、シィちゃん」

「なんでしょうか? マオ様?」

「お城にお金ってどのくらいあるかな?」

「え? えっと、大体国一つは運営できるお金はありますが」


 うーん、そうだなぁー。ゴブタさんは魔王軍は常に人手不足だって言ってたし、それにこの子達、たぶん行く場所はないし。


「あの、マオ様? 一体何を考えているんですか?」

「え? えっとね、それはそのぉー」

「もしかして魔王さまー、この子達を買うつもりじゃないですかー?」


 ギクッ!


「マジかよ。さすが魔王というかなんというか……」

「さすがにそこまでの資金はないかとー」

「お給料は大丈夫ですよね? ね!?」

「あー! 落ち着いてよみんな!」


 確かにこの子達を助けるために買おうかなって考えているよ。でも、現実的に考えると難しいよね。だってこの子達を買うってことは、命を買うってことだし。


「そうだなぁー、さすがに俺達じゃあ簡単には判断できないな」

「こういう時こそあの方ですねー」

「でも許してくれないと思いますよ?」

「うーん、やっぱ勝手にやっちゃダメかな?」


 セバスチャンさんは絶対にダメって言っちゃうだろうし。リフィルさんが絡み酒でダマーシィさんを足止めしている今がチャンスだと思うんだけど。


「あ」


 そっか。そうすればいいんだ。

 ダマーシィさんがやってた人の弱みに付け込むってことをすればもしかしたら――


「ねぇ、みんな。ちょっといい?」

「なんだ?」

「なんですかー?」

「私達でどうにかなりますか?」


 リフィルさんが絡んでいる今だからこそどうにかできるかもしれない。

 よし、そうなればこの子達を助けるためにも頑張るぞ!


マオちゃんとしたっぱメイド隊はワーウルフの子供達を助けるために何かをするみたいだ。

はたして上手くいくのか!?

そしてセバスチャンは助けられるのか!?


次回は本日の午後8時に更新予定です。

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