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酔っ払いリフィルさん

体調がほぼ回復いたしました!

自分のペースを崩さず、これからまた頑張っていきたいと思います!

 うーん、遅いなぁー。あれから結構時間が経ったけど、どうしたんだろ?


「ハッハッハッ。怖気づいて逃げてしまったのではないのでしょうか? まあ無理もありませんがね。小娘一人を助けるためにこんな所に飛び込もうと思うほうがおかしい」

「むぅー! リフィルさんに限ってそんなことありません! 絶対に来てくれますよ!」


 メイド隊のみんなを助けるためにも、セバスチャンさんを助けるためにも来てくれるはずだし! それにしても遅いなぁー。そういえば外はどうなっているんだろ? こんなにも真っ黒だと昼なのか夜なのかわからないし。


「あの、今何時なのか教えてもらってもいいですか?」

「一〇〇ゴールドいただきますがよろしいですかな?」


 むぅー、やっぱりお金を取るんですか。あとで払うにしても、このくらいならいいかな?


「お連れいたしました」


 そう思っているとようやくリフィルさんが到着したみたいだった。私は歓喜しながら振り返る。けどそこにいるのはいつものリフィルさんじゃなかった。


「あらぁー、魔王しゃまお久しぶりぃー」


 あれ? リフィルさん?

 いつもと違う感じがするけどどうしたんだろ? というかお酒臭っ!


「ちょ、ちょっと抱き着かないでくださいよ!」

「いいじゃないのぉ、減るもんじゃないしぃー。もうお胸も触りまくり揉みまくりぃー」

「や、やぁ!」


 リフィルさんにいいようにされまくるよぉー! 縛られているから余計にあっちこっち触られちゃってるしぃー


「これは眼福ですなー」

「見てないで助けてくださいよぉー!」

「一〇〇〇ゴールドなーりぃ」


 ひどい! 鬼、悪魔、スケベじじい!


「フッフッフッ。しかし、面白い状況じゃない。魔王しゃまは縛られているし、目の前にはヨボヨボなおじいちゃんがいるし」

「あ、あのリフィルさん?」

「二次会はこうじゃなくちゃ! さあ、美味しいお酒を飲むわよー!」


 何かと勘違いしている!? え? 私を助けに来てくれたんじゃないの?


「おやおや、リフィルさんとやらは何かを勘違いしているみたいですな。これは絞り取りがいがありますねぇ」

「そ、そんなぁ……」


 これじゃあ呼んだ意味がないよ。このままじゃあお金がなくなっちゃう。


「さ、じじい。美味しいお酒を用意しなしゃい! 言っとくけどアンタも飲むのよぉ!」

「いいでしょう。お付き合いいたしますよ、お嬢さん」


 そう言ってダマーシィさんは指をパチンと鳴らした。出てきたのはいかにも高そうなボトルに入ったワインだ。


「これは最上級の赤ブドウを使ったワインでございます。あまりにもアルコール度数が高く、誰も飲み込めないということで幻と言われる〈クリムゾンレッド〉でございます」


 うっ、グラスに注がれただけでアルコールの臭いが。すごい、ちょっと嗅いだだけで頭がクラクラしてきたし。


「あら、美味しそうじゃない。どのくらいするの?」

「ざっと一〇〇万ゴールドでございます」

「よし、買った!」


 買っちゃうの!?

 え? それもちろん自分のお金ですよね? お城に経費とか請求しないよね?


「ささ、グイッとお飲みくださいませ!」

「飲む飲むぅー」


 グイグイとワインを飲んでいくリフィルさん。その飲みっぷりはまさに酒豪と言えるほど豪快なものだった。


「プハァー! こんなに喉にくるワインは初めてだわぁー。癖になっちゃう」

「でしょう? しかし、よく飲めますなぁ」

「わらしを舐めないでちょうだい! あ、アンタも飲みなさいよ。これ、私の奢りだから」

「え?」


 トクトクとグラスにワインを注いでいくリフィルさん。それをそのままダマーシィさんに渡して「イッキ、イッキ」とコールしている。でもダマーシィさんは一向に飲もうとしない。なんだかとても焦っているように見えた。


「どうしたのよ? 飲みなさいよ!」

「い、いやぁ。私はジジイでございますから少々身体に響いてしまう可能性が――」

「あぁ? 私の酒が飲めないというの?」


 リフィルさんは持っていたグラスを握り潰す。そしてそのまま拳へと変えた右手でダマーシィさんの顔の横に突き出した。

 遅れてとんでもない風が吹き荒れる。それは私や机に置いていた何もかもに襲いかかり、飛ばしていく。


「の・む・よ・ね?」

「は、はい……」


 すごい風だった。何もかもが飛んでいったし、もうお部屋がメチャクチャだし。

 あれ? 縄が外れてる?

 さっきの風のおかげかな? でもラッキー! これで私は自由だぁー!


「さあ、もっと飲みなさい! 私が一〇〇万ゴールドも出して買ったお酒よぉー」

「うべぇ……、ぎもぢわるいぃぃ」

「飲め飲めぇぇ! もっとハイになろうぜぇー!」


 ハイテンションのリフィルさんに、ワインを飲まされてとても大変そうなダマーシィさん。なんだかわからないけど、リフィルさんに任せておけば大丈夫そう。

 よし、これで何もかも解決だね。でも使っちゃったお金どうしよう?

 一〇〇万ゴールドなんてあるのかなぁ?



リフィルさんのおかげ?でどうにか脱出できたマオちゃん。

はてさて、この騒動はこのまま終わるのか!?


次回は本日の午後8時に更新予定です。

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