おそろしきお金の罠
最近予定変更が多いなぁ
今回からはできるだけ少なくしていきたいと思います。
うう、お腹が空いたよぉー。食べたいって何度も鳴いているし、それに――
「美味しいですねー。こんなに美味しいオニギリと味噌汁を食べないんだなんて、もったいないですねー」
ダマーシィさんがこれでもかって見せつけてくる。くぅー、こんな風に縛られてなかったらどうにかしているのにー!
ああ、お腹がまた。もーペコペコすぎてまずいよぉー
「ごちそうさまでした。ふーむ、なかなか強情な方ですねー。ですが、結構弱っているのは確か。ならばこれが欲しいのではないのですかな?」
そういってダマーシィさんはまた指をパチンと鳴らした。するとテーブルがまた現れて、今度は美味しそうなホカホカのパンがバスケットいっぱいに入って登場する。
うう、見ただけでとても美味しそうなパンだ。でもどうせさっきみたいに高額な値段をつけられるに違いない。
「ふふふ、聞いて驚いてください。なんとこのバスケットに入ったパン。全て合わせて一〇〇〇ゴールドでございます! しかもジャムとマーガリンつき。これは買わない手はないですよー?」
な、なんて安いの!? しかもジャムとマーガリンもつくなんて!
欲しい。食べたい。猛烈に買いたい!
ど、どうしようかな? あれならお得感があるし、それに一人じゃあ食べきれないからみんなと分けることもできるし。
「おっと、そうでした。三〇分間限定で注文された方には〈スペシャルジュース〉もつけますよ? ちなみに中身は魔王さまが大好きなメロンジュースであります」
「買います!」
私はついに空腹に耐えきれずに買ってしまった。確かポケットの中にギリギリ入っていたはずだし。
「まいどありー。ではお金をいただきますねー」
「あ、あの」
「なんでしょうか?」
「その前に縄を外してくれませんか? このままじゃあ払うことも食べることもできませんし」
ダマーシィさんはそれを聞いてとても怪しげに笑っていた。
まるで待っていたかのような、そんな感じがする。
「いいですよ。ただしタダとはいきませんがね」
「え? お金を取るんですか?」
「当たり前ですよ。今のあなたをどうするかは私に権利がありますからね!」
むぅー、そんな権利ないと思うけど。でも天使さんは出せないし、対抗もできないし。
「いくらですか?」
「そうですねー。ま、いろいろと計算をし、利益や損失、その他もろもろのことを計算すると――ざっと一〇〇〇万ゴールドですね」
「一〇〇〇万!?」
うそー! 縄を外すだけなのにそんなにお金がかかるの!?
そんなのぼったくりだよー!
「いいのですよ。そのままその椅子に縛り付けられ、お腹を空かせていても。私にはなーんにも被害がありませんからね」
「うう、鬼! 悪魔!」
「いい言葉ですよ。これだから絞り取りがいがあるというものです」
これじゃあせっかくパンを買ったのに食べることができない。何かいい手を考えないと。
でもどうすればいいんだろう? 今のままじゃあ確実に対抗できないし。
「あ、そうだ」
できないならできるようにすればいい。でもそれにはちょっと問題がある。
「あ、あの!」
「なんでしょうか? 言っておきますが、あなたにはたくさん買ってもらいますからね」
「それでちょっと相談なんだけど、いいですか?」
ダマーシィさんがちょっとだけ怪訝な顔をする。すっごく怪しんでいるけど、でも言うしかないし。
「さすがに私一人じゃあ決められないことがあるし、だから呼んでほしい人がいるの。ダメですか?」
「ほう? それで私に何のメリットがあるのですかな?」
「互いに悪くない取引ができると思うんです。それにもしかすると私なんかよりもいい結果になるかもしれないし」
ダマーシィさんがヒゲを撫でながら考える。たぶんお金を搾り取るだけならこの交渉には乗ってこない。でもダマーシィさんはあくまで商談をやっているんだ。
だから私なんかよりもいい結果になりそうな人が来るなら、その人とやりたいって思うはずだし。
「そうですね、搾り取るとしてもあなたはやりがいがなさそうですしね。いいでしょう、一人だけ呼ぶのを許します」
やった。これで突破口が開けた。
「それで、一体どのような方に来てもらうのですかな?」
来てもらうのは当然あの人だ。
したっぱメイド隊の上長にして最強のメイドさん。たぶんお城のことは全部把握しているあの人だ。
「リフィルさんでお願いします」
これでどうにかなる!
たぶん。
マオちゃんがついに反撃に出る!
次回はリフィルさんが参戦するよー
次回の更新は本日の午後5時頃を予定しております。
追記
まだ体調が優れないため、しばらく更新は1日1回にさせていただきます。
申し訳ございません。




