表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/103

ゆうしゃ襲来!

遅れて申し訳ございません。

スマホがいかれちゃったんだよー(泣)

 ちゅんちゅんと響き渡る小鳥の声。うーん、今日もいい朝を迎えたー

 はぁー、平和だなぁー。でも今日も書類処理をしなきゃいけないのかな?

 あー、やだやだ。あのデスクワークがなかったら最高の生活なんだけど、でもそんなこと言ってられないよね。

 仕方ない、今日も張り切って書類処理をしよっと。


「大変です、マオ様!」


 ベッドから降りようとしていると、突然セバスチャンさんが入ってきた。とても慌てたような様子だけど、どうしたんだろう?


「どうしたの?」

「勇者とレッドボーグの国王軍が攻めてまいりました! 急いで支度して迎撃の準備をしてください!」


 えっ!? それってどういうこと?

 もしかして私を殺しにきたってことなの!?


「そ、そんな……。私、戦いなんてしたことないよ」

「弱気にならないでください。我々が全力でお守りいたします。ですが、さすがにパジャマのままでは士気にも影響しますからね。申し訳ございませんが、少し魔王らしい格好になってください」


 た、確かに。このままじゃあみんなのやる気にも関係するかも。

 えっと、確かタンスに正装一式が入っていたはず。


「わ、わかったよ。じゃあ着替えるからちょっと待ってて」

「はい。終わりましたらお声をお願いいたします」


 セバスチャンさんが出ていく。私はそれを確認した後に、急いでタンスの前へと向かった。大きい収納部分を開いてマントとツノがあるカチューシャを取る。でもこれだけじゃあどう見ても魔王らしくない。

 うーん、やっぱマントの下もどうにかしないといけないなぁー。でも私の服ってかわいいものばっかりだし。

 仕方ない。とにかく黒っぽいものを着てみよう。確か真っ黒なシャツとショートパンツがあったはず。


「まだですか? マオ様!?」

「もうちょっと待って!」


 う、うーん、なんだか微妙だなぁー。これじゃあどこか子供っぽいし。でもあんまり選んでいる時間はないし。

 仕方ない。これで行くしかないや。みんなを待たせているし、それに守ってもらわなきゃいけないし。


「マオ様!」

「今行くー」


 私は扉を開く。直後にセバスチャンさんの顔を見た。さすがにいつもと違ってとても真剣な顔をしている。

 だけどセバスチャンさんは私を見た瞬間にちょっと顔を和ませていた。


「かわいらしい姿ですね」


 むぅー、やっぱり魔王らしくないのかぁ。

 ちょっとだけガッカリ。


「さて、マオ様。みなが中庭で待っております。申し訳ありませんが激励となる言葉をおかけください」

「え? そんなこともやるの?」

「ええ。あなたはこの国のトップ。そして戦う者達のために激励をかけてあげなければいけませんよ」


 そうだね。みんな私のために戦ってくれるんだし、そのためにもちゃんと励ましてあげなきゃ。

 よし、みんなが元気出る言葉をいうぞー


「でも、みんなが元気出る言葉って何だろう?」

「ふふっ。そんなに難しく考えなくてもいいですよ。あなたはあなたらしくみなに言葉をかけてあげればいいのですから」

「でも――」

「マオ様、あなたがいつも通りならみなは不安になりません。それに、トップとはどっしりと構えているのがいいのですよ。それはみなを信じている証であり、みなが信じる証にもなります」


 そうなんだ。じゃあ私は私らしくしていよう。みんなを信じて、一緒に勇者達に立ち向かえばいいんだ。


「さて、そろそろ中庭でございます。マオ様、あなたらしく気張りすぎないように頑張ってくださいね」

「うん!」


 中庭が見えるベランダに出る。そこにはいつも優しく接してくれるリフィルさんやシィちゃん、数は少ないけど頼りになる魔王軍のみんな、あととっても怖いカアたんもいた。いつもと違ってとても凛々しい顔をしているみんなは、ジッと私を見つめていた。

 緊張が走る。でも私は一回大きく深呼吸をして、みんなにまっすぐと顔を向けた。


「みなさん、おはようございます!」


 最初の挨拶。それは思ってもいなかったのか、みんなちょっとだけこけていた。

 あれ、間違えたかな?

 でも私は気にしないふりをして続きを口にする。


「みなさん、もう知っていると思いますがここに勇者とレッドボーグの国王軍が来ています。正直、私はどれほど相手が強いのかわかりません。でも、だからといってみなさんを置いて逃げることはしません」


 ただ私の想いをみんなにぶつける。みんなが頑張ってくれるように、それだけを考えて言葉を叫ぶんだ。


「一緒に戦いましょう! 私達の国を、大切なものを、守るために!」


 言葉の直後にみんなが歓声を上げた。ホントに鼓舞しているかのような、おっきな唸りが起きている。

 私はそれを見て、つい倒れそうになった。でもそんな身体をセバスチャンさんが支えてくれる。


「よくできました。でも、もうちょっと頑張ってください」


 私は頷いた。そして身体に力を入れて、みんなに頭を下げた。

 ただ私らしく、みんなを信じる。みんなはそんな私を信じて、声を上げてくれた。

 だからなのか、私はとても嬉しかった。


「さて、戻りましょうか」


 戦いは始まったばかり。どうなるかわからないけど、でも大丈夫だと私は思った。

 みんなとなら、乗り越えられる。


勇者そしてレッドボーグの国王軍と戦うことになったマオちゃん。

相手はどんな勇者なのか!?


ほんわかしながらのバトルが始まります!


次回は明日の午後1時頃に更新予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ