執事さんへの仕返し!
本日は午前11時ぐらいにも更新しました。
見てない方はそちらも見てね。
ふえぇ。身体がヌルヌルにされていくよぉー。
力が入らないよぉー。オマケに考えることもできないよぉー。
「いい感じにふやけてきましたねー、マオちゃーん」
「ふえぇ……、もーやめてぇー」
「ふっふっふっ、お楽しみはこれからですよー」
このままじゃあなんだか危ない気がするー。でも身体に力が入らないよぉー。
「アハハ! 私ばかりに構っていていいのかしら? そこにいる女の子の貞操が危ないわよぉー!」
「おい、セバスチャン! そろそろ魔王を解放してやれ!」
「大丈夫です。まだ平気ですから」
あぅ。もーダメェ。何も考えられない。全てが真っ白になるぅ。
「クヒヒ、いい感じいい感じ! マオちゃんを食べるのも時間の問題だな」
「おい、セバスチャン!」
「もう少しですよ。それにこのまま戦っても彼女には勝ち目はないでしょ?」
「だが――」
「万が一のことがあっても大丈夫です。私には優秀な部下がいますから」
ふえぇ、わらひなにをしていたんだっけ? あぅ、なんかしょくしゅさんがものすごくうねうねしている。あれ、ふくのすそにひっかかって、それでやぶけて……
ふえ!? これやばいんじゃない!? というか裸にされているよ!
まずいまずいまずい。ふやけている場合じゃないよ! こんな所で裸にされたら恥ずかしいなんてもんじゃない!
「グヒヒ。お楽しみはこれからだよぉー」
「や、やだぁ!」
「もう手遅れだよマオちゃーん」
触手さんがとんでもなく恐ろしい! 顔が狩人みたいになってるし!
やだやだやだ! こんな所で、こんなことになるなんて……
「いやぁー!」
感情が爆発すると同時に、背中が熱くなった。途端に現れたのがさっきの天使さん。綺麗な羽を撒き散らしながらまずは私を襲っている触手さんに攻撃してくれた。
「ぬおぅ!」
天使さんが落ちる私の身体を優しく受け止めてくれる。私はそれに一安心していると、セバスチャンさんが声をかけてきた。
「マオ様、すみませんがこの魔女を懲らしめてくれませんか?」
でもそんな声は私に届かない。そもそもの話、セバスチャンさんがこんなにも放っておかなきゃこんな危ないことにならなかったはず。
それに、私のお気に入りのお洋服がとってもボロボロ。これで怒らない訳がない。
「天使さん、あの悪魔を攻撃して!」
命令をすると天使さんはセバスチャンさんに手のひらを向けた。集まっていく白い光は、ある程度の大きさになると同時に放たれる。
「おおっと!」
大きな爆発が起きる。でもセバスチャンさんには当たらない。見事な身のこなしで避けてしまった。
だけど避けられた場所はとんでもなく大きな穴が開いていて、近くにいたヴァンさんが口を開いたまま青い顔をしていた。
「くぅぅ! 外した!」
「おい、セバスチャン! 話が違うぞ!」
「ちょっと怒らせちゃいましたね。しばらくお願いしますね」
「なっ」
私はどこかへと逃げるセバスチャンさんを追いかける。とにかく攻撃して懲らしめようとしていた。でも容赦なく攻撃していたから建物のことなんて考えてなかった。
「うおおぉぉぉ! 村がぁぁ!」
スライスさんの悲鳴なんて何のその。とにかくセバスチャンさんを懲らしめるためだけに追いかけて攻撃をする。だからたくさんの魔物が逃げ惑っているなんて気づかなかった。
「アハハ。どうしましたか? 全然当たりませんよー」
「くぅぅ! 絶対に当ててやるぅー!」
悔しい悔しい悔しい!
セバスチャンさんをギャフンと言わせてやるんだから!
そんなことを思っているとセバスチャンさんは急旋回をした。慌てて私達も追いかけていくと、そこには戦っているヴァンさんと魔女がいる。
「お通りします」
二人の間を駆け抜けていくセバスチャンさん。私はその瞬間を狙ったかのように攻撃してしまった。
途端に光は弾けて、一気に爆風が広がる。でもそんな光景は目に入らない。
今の目的はセバスチャンさんを懲らしめること。ただそれだけだ。
「待てぇー!」
「アハハハハハハ」
どこか楽しそうなセバスチャンさん。あんなに楽しそうな顔をされるととてもムカつく。
絶対に泣かせてやるんだからぁー!
「ま、マオ様! このままでは村が全滅してしまいます!」
「もうやめてくれぇぇ!」
シィちゃんとスライスさんの悲鳴が響き渡る中、私はどんどん攻撃をした。
それから十分後、紋章の効果がなくなって元に戻った私はついにセバスチャンさんを捉えることができなかった。そして盛大に怒られてしまう。
スライスさんはどこか怯えていたように見えたけど、とにかく怒られた。みんな泣いても許してくれなかったよ。
うう、なんで私だけこんなことばっかり。悪いのはセバスチャンさんなのに……
執事さんは逃げ足も速いです(笑)
次回は明日の午後1時頃に更新予定です。




