表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/103

マオと危ない魔女

 たくさんの触手。それを倒してくれた勇者のヴァンさんに感謝をする私達。

 そんなヴァンさんは誰かを追いかけてトトカ村に来たみたいだった。


「魔女?」

「ああ。とても危険な魔女だ。特にあなたみたいなかわいい娘は標的にされやすい」


 話によるとヴァンさんが追っている人は〈色欲の魔女〉って言われているらしい。とーっても強くて、ヴァンさんでも苦労しちゃうほどなんだって。

 でも、どうして私とかそういった女の子が標的にされちゃうんだろう?


「あの方は同性の、特に自分より弱くてかわいらしい人が大好きですからね。だから魔王さまやシィみたいな女の子は狙われやすいです」


 セバスチャンさんがどこか懐かしむように説明をしてくれた。なんだか聞いているだけで嫌になってくるなぁ。

 あ、もしかしてその魔女さんが今回の事件に関わっているんじゃあ――


「それにしても、彼女は魔物にも興味を抱き始めたのですか?」

「噂程度しか聞いてないが、かわいいペットが欲しいと言っていた。もしそれが本当なら魔物が狙われてもおかしくはないだろう」


 さすが魔女さんだ。なんか発想がぶっ飛んでいる。


「ふむ、色欲の魔女ですか。それは触手をも操るのですか?」

「契約を結んだ奴なら強制的に操ることができる。だが、あいつがこんな魔物と契約していたとは聞いてなかったが」

「何にしても迷惑なことには変わりませんね。さっさとやめさせましょうか」


 そういってセバスチャンさんは進み出した。どこか当てでもあるのかな?

 そんなことを思っていると倒れていた触手に手をかざす。途端に白い光が弾けて、触手は光となって消えていった。


「何をしたのですか?」

「契約を解除し、私が新たな主として契約をしました」

「うえっ!? 触手とですか!?」

「大丈夫ですよ。一時的なものですから」


 そういってセバスチャンさんは何かを呟き始めた。その言葉は古の言葉って言えばいいのかな?


『我が血と結びし者よ。我が呼びかけに応えて現れたまえ』


 何となく聞き取れる言葉。たぶんこんなことを言っているんだなぁって思っていると、光と共に触手が現れた。

 触手はセバスチャンさんを見ると同時に頭を下げる。そしてこんな言葉を口にした。


「はじめましてー、私は触手のショークンです。よろしくお願いしますー」


 何だか丁寧な触手さん。でもどこか軽い感じがするのは何だろう?


「初めまして、私はセバスチャンと申します。早速ですが、あなたの以前の契約者のことに関して話を聞かせてもらってもよろしいでしょうか?」

「はいー。あの方はとっても、とーっても扱き使ってくれましたよ。そりゃもうひどいもんでしてねー。とにかく何でもいいから女の子を襲えって指示されてましたよ。もういくら雑食の私ですがね、さすがに魔物や動物を襲うのはどうかなと。でも命令ですからとにかくやっていたんですよ。そしたらそこの勇者さんにやられましてねぇー。もう痛いのなんのって。あの魔女さんについてからはいいことなしでしたよー」


 おしゃべりな触手さん。でもそのおかげで犯人が誰なのかわかった。

 何気なくヴァンさんに目を向ける。するととても頭を抱えていた。


「確定ですね」

「確定だな。ったくあいつは……」

「ま、彼女のことですからすぐ近くにいるでしょう」

「ああ、たぶんな」


 セバスチャンさんはすくっと立ち上がる。そして触手さんにある指示を出した。

 それは私にとってとんでもない指示だ。


「ショークン、よろしければそこにいるマオ様を気持ちよくさせていただけませんか?」

「ガッテン承知ぃー」


 え? セバスチャンさん、それはどういうことですか?

 私が訊ねようとした瞬間にショークンの触手が伸びてきた。途端にそれは手足が絡みついて私にまた変な液体をかけ始めた。


「ふえぇ」


 さっきみたいに恥ずかしい格好はさせられなかったけど、変な液体をかけられたせいでまた力が抜けてしまう。しかも考えることができなくなってきちゃって、もう抵抗することもできない。


「らめぇー、せばすしゃんしゃんー」


 なんで私がこんな目に。そんなことを思っていると、セバスチャンさんが目を鋭くさせた。

 同時にヴァンさんも勇ましい顔になって、ある場所を睨んでいた。


「来たか?」

「ええ、来ましたね」


 何が来たんだろう?

 そんなことを思っていると、赤い光みたいなものが突然二人の前に現れた。


「オーホッホッホッ! あなた達、なんてエロいことをしているの!」


 なんだかとても偉そうな人が現れた。赤くてボリュームがある長い髪に、黒で包まれたドレスワンピース。そしてとても大きな胸に、鋭い目。

 確かに魔女って言われてもおかしくない出で立ちだ。


「ったく、ウィンディ。お前いい加減にしろ」

「あなたはついに魔物まで手を出すようになったのですか?」

「オーッホッホッホッ! 変態と変態が何を言うの? かわいい娘を襲うのは健全なことじゃない?」


 なんだかとても危ない発言をする魔女さん。確かに近づきたくないと思っちゃうなぁー。

 それよりも早く離してくれないかな? このままじゃあ本当に考えることができなくなっちゃうんだけど。


「やはり聞き分けがないな。こうなれば力づくでわからせるしかない」

「そうですね。ではさっくりと懲らしめてしまいましょう」

「フフフ、あなた達だけで私を止められると? 何バカなことを言っているのかしらぁ? 私は色欲の魔女! 最強の変態なのよー!」


 なんだかわからない宣言をする魔女さん。そんな魔女さんを睨むヴァンさんとセバスチャンさんは、どこか勇ましい。

 それよりも、私はなんでこんなにも放っておかれているの?


「楽しみましょうね、マオちゃーん」

「やぁ……、はなひてぇー」


 触手さんにいいようにされちゃうよー。

 誰か助けてー。


マオちゃんは一体どうなってしまうのか!?

私、知っていますがとっても気になります!


ちょっと更新が早かったけど、次回は午後1時頃に更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ