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再起動

結果的に俺たちは失った。


俺たちが出来すぎたからである。


こうしてその事について、流暢に分析を巡らしたりしてる事を思えば、むしろ拾ったと述べるべきか。


何れにしても俺たちは、あの地獄のような正規兵どもによる掃討劇から生き延びて帰る場所を失うことになった。


アイツ等は余計なことまで暴き出してしまった出来過ぎの俺たちが邪魔になっていたのである。



そもそもこんな時代であるからか、物騒な傭兵団などは用もなく、ましてや精悍な面立ちをしていたはずの俺も、こんな平凡なヒューマンの顔に成り下がり、襟を正して見る必要もないモニタなどとにらめっこをする羽目になってるからだ。



いや別にボスに不満があるわけじゃない。


ボスは個人的に存在さえ再び抹消されたこの俺をまた救ってくれたのだ。


長年馴染んだ仕込まれた機械のボディを脱ぎ捨てることによって、シチズンと生まれ変わった俺は、新たなる戦場を与えられたのだから。


白煙と焦燥とした空気に支配されていた戦場の代わりに、ドロドロとした思惑と駆け引きが絡み合うドンパチ無き戦場を。




「何をサボっているんだエージェントT!確かな不正事実のデータを拾えなければ、我が社の利益も貴様の仕事もハイドしたままなんだからな」


冷徹で性急で横柄なボスの叱咤が響く。


俺の流体核に刻まれたノイズの持ち主だった男の名を借りて、俺は存在を再起動した。


LXXのアフターサービス班、別名”掃除部隊”の一員トロイとして。




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