第五話
短めです。なかなか時間がとれない……。
俺はキングファングを倒した後、すぐに寝てしまったようで気づいたら草原で横たわっていた。寝ている間にミニファングが来たようだがルルが言うにダメージが全く入らずに諦めて帰っていったようだ。いままでは少しづつダメージを受けていたので、キングファングを倒してレベルがだいぶ上がったらしい。
「ミニファングが集まってきたときはびっくりしたんですからね。でも、これでようやく次の街へ行けるようになりますね。」
「ああ、そうだな。早くちゃんとした食事がとりたいよ。」
1日だけだがしっかりとした食事を取らないのは意外ときつい。俺は早く次の町へ行こうと歩き出した……が空からまたしてもぐしゃぐしゃの紙が落ちてきた。神様のなんだろうなぁ……読みたくないけど
「読むしかないかぁ……」
俺は紙を広げてメッセージを読んでみる。
『キングファング討伐おめでとー(棒)。まあ、あんな弱いモンスター相手に何時までも時間かけてられないもんね(笑)。まあ筋力とかは戻しておいたよ。いちおう約束だしね。次の町に入ったら私はもうこういったありがたーい助言とかはしないからがんばってね。いままでのはチュートリアルってことで。さあ、ここから君の新しい冒険の始まりだ!(キリッ)えらーい神様より』
うわーうぜー。期待はしてなかったけどより怒りを起こさせる文章だったなんて。俺はその場で紙を破り捨てる。そして、紙をこれでもかというくらい踏みつけてからこれからのことをルルと話し合うことにした。
「ルル、これからどうする?行動制限はなくなったみたいだけど。」
「そうですねー、とりあえずステータスとドロップ品を見てみましょうよ。」
ルルに言われて俺はまだステータスも見ていないことに気づき、自分のステータス画面を呼び出す。
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七夕 優希 (17歳)
Lv13 HP 82 MP193
筋力 12
俊敏 40
魔力 107
幸運 10
<スキル>
魔法詠唱Lv2 ウィンドスラッシュLv3 ウィンドカッターLv1
<特殊スキル>
神様の加護 神様の命令 風使い 駆逐 冒涜者 草原の主
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ウィンドカッターLv1……風の見えない刃を飛ばす
冒涜者……神を冒涜した証 幸運が激減する
草原の主……草原のモンスターを1匹だけ使役することができる
だいぶ強くなっていた。キングファング1体でこれだけ上がるってことはボスモンスターは経験値が高いのか。それにしても冒涜者って……あ、さっき神からの手紙踏みつけたからか。まあ幸運はなぜか高かったから落ちてもそう問題はないだろう。そして、草原の主か、といってもミニファングしかいないけどなぁ。まあ、いないよりはいるほうがいいだろう。後で捕まえておこう。
「だいぶ強くなってますね。けど、やっぱり魔法使いに適したステータスみたいです……。」
「仕方ないよ。あの神様だし……。」
そう言いながらもまだ少しだけ未練がある。剣士……かっこよさそうだったのになぁ。しかし、そんなことを言っていても神様が決めたことを変えることもできず。俺は次の街を目指すことにする。ドロップ品は見てみたがキングファングの皮などとだけ書いてありよく分からなかったのでスルーした。草原の地図の端になにか街のようなものが書かれていたからおそらくそれが次の街だろうと思い、そちらに向かって歩き出す。また、途中でミニファングを捕まえようとしたがなぜか捕まえることができなかった。どういう条件で捕まえられるのかちゃんと書いておいて欲しいね。
というわけで特になにも起こらず街に着いてしまった。もっとこうなにかイベントみたいなのがあるかと思っていたのに少し拍子抜けだった。
次の街はかなり大きいようだった。ぱっと見ただけでもミストレアの3倍以上はある。街から出てきた人によるとこの街は王都クランというらしい。さっそく街に入ろうとすると門番に止められた。
「街に入る前に身分証名書を出して貰おうか。大丈夫だとは思うが犯罪者などを入れないためにいちおう行わなければいけないのだ。」
え、身分証明書なんて持ってないよ……。俺は巾着の中を入ってたらいいなぁと思い中を見てみたがやはりそんなものは入っていなかった。
「すみません、田舎から来たものですから持っていなくて。」
「そうか……。すまないそうなると街に入れることは出来ないんだ。他の街でも発行できると思うからそちらへ行ってくれ。」
せっかく急いで来たのに散々である。宿に泊まったりできると思ったのになぁ。ていうか、それくらい神様なんだから用意しとけよ!と思った。
その後、テントなども全くないからどうしようと言っていたら、門番さんが今日は街の外にあるという門番さんの詰め所に泊めてくれると言ってくれた。なんでも女の子一人こんな夜道に出すのは危険だとかで。また前のようにはならないっぽい、感謝の言葉を述べていたら仕事だから明日の朝には出ていってもらわなければならないらしい。
その日は詰め所でご飯までいただき、ゆっくり眠ることができた。