プロローグ
俺の名前は七夕優希、17歳だ。よく珍しい苗字だと言われるがそんなこと、今はどうでもいい。まずは、俺の状況把握が先だ。
俺は確かに家で最近発売された超人気のゲーム『World Creation』をしていた。売り切ればかりでようやく買えたのだが、気づかないうちに寝てしまったのだろうか。目を開けると仰向けになって寝ていた。そこまではいい。徹夜して再入荷されたばかりの『World Creation』を買って疲れていたのだろう。しかし、目の前に広がるのは家の天井ではなく青空であっ た……。しかも太陽が二つあるときたものだ。家でゲームをしていたはずなのにここはどこなんだ?
俺は起き上がって辺りを見回した。すると遠くのほうでおじいさんが農作業をしているのが見えた。俺はおじいさんにここはどこか聞くことにした。
「おーい。おじいさーん。」
あれ、おかしいななんだか俺の声が高いような……。まあそんなことよりもいまはここがどこか聞くことのほうが優先だ。
「すみませんが、ここはどこか教えてくれませんか?」
おじいさんは答えた。
「ここはミストレアという村の近くの草原じゃよ。それにしてもお嬢ちゃん、見かけない子じゃがどこから来たんだい?」
ミストレアだって!?さっきまでやっていたゲームの世界の最初の村じゃないか!まさかライトノベルとかによくあるゲームの世界に閉じ込められたというのかっ!
……あれ?
お嬢ちゃん?俺は嫌な予感がして自分の体を見てみた。そこには少しだけ膨らみかけた胸があった。そして下は、
「無い……」
「無いじゃねえかああああああああ!」
隣にいるおじいさんがびくっとしたように見えたがそんなことよりも……俺、女になってゲームの世界に入っちまったよおおおおおお。