学園の正体
「入学手続きのようなものだ。名前を書いて、ここに拇印を押すんだ」
そういって僕にこれまた古い羽ペンと一緒に手渡す。
慣れないながらも指定の場所に名前を書き、拇印を押す。ちょっと目を通すがまるで何が書いてあるか読めない。借金の肩代わりとかだったらどうしよう。
「よし、書けたな。では来たまえ」
そういって僕の手を掴んで理事長室を連れ出すマリアルス学園長。一体今度はどこに行くのだろうか。
「あの……」
「君に一つ言っておく。ここはただの学園ではない」
どこに行くのか問おうとした僕の言葉を遮って話し出す。それはまぁ、この城みたいな学校をみてわかるけど。
「ここは世界で唯一の特別な場所だ」
カツカツとピンヒールを鳴らして僕を先導する彼女は楽しそうに言葉を紡ぐ。
「世界中からいろんな奴らが集まり、頂を目指すために切磋琢磨する場所であり」
「ちょ、目の前壁ですけど」
「古今東西ありとあらゆる知識を学ぶ学び舎である」
カツカツと子気味好い歩調は衰える事無く、そのまま壁に激突、する事はなく一瞬の暗転の後、吹き抜けた巨大なホールへと移動していた。
「そして、ここの生徒は皆、頂を――魔王を目指す挑戦者達だ!」
巨大なホールにはどれくらいいるのだろうか。1000では聞かない数。それが軍隊のように綺麗に整列している。そしてそれを数えるのにどういった言葉を選べば良いのだろうか。
そこにいるのは人ではない様々な――魔物達だから。
「ようこそ! 魔王育成学園、真桜学園へ!」
この時教頭先生のお話し中でした