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ファントムボーダー
プロローグの続きです。
書いたのが一ヶ月前なんで何書いたっけ、って感じですが。
ま、拘泥せずに行きましょう。
読むのがめんどくさそうですが、頑張ってください
四、五個のアラームが一斉になって、一個を手探りで止めたが、結局五月蠅いのは何も変わらず、「畜生、なんだっていうんだ、全く……」などとブツブツ文句を言いながら、俺は布団を跳ねのけて、ベットを囲うように置かれている目覚まし時計達を叩いていた。
ふと、頬に熱い感触がして、手で触れてみると、どうやら涙を流していたらしい。昨日はどんな夢を見ていただろうか、と思いだそうとするけど、やっぱり何も思い出せない。
拘泥していても仕方ないので、洗面台へ行ってバシャバシャと顔を適当に洗顔して、ボサボサの髪を適当にブラシで薙いで整える。
それから歯を磨いたら、口の中にピリリとした苦味と、ハーブのス~っとした匂いに顔をしかめながらそのまま玄関へ行って、スニーカーを履いて外に出た。
別に散歩が趣味という訳ではないが、部活等に入っていない分、慢性的な運動不足になりがちの為、毎朝早めに起きて運動するようにしている。まあ、そうでなくてもアルバイトでかなり運動不足は解消されてはいるのだが、これは最早毎朝の習慣になっていて、授業の時に頭もすっきりするから、特にやめようとは思っていない。
三十分程町内を走りまわると、アパートに戻って汗を流すため軽くシャワーを浴びた。体を流れる冷水が、とにかくひんやりとしていて、ブルブルっと震える。
タオルで軽く拭いて、体が冷え切らない内に、さっさと制服に着替えた。うちの学校は制服は学ランに多少工夫を凝らしただけの、随分とシンプルな制服だ。あまりごちゃごちゃしたものや、無意味に派手なものはあまり趣向に合わないので、これで俺は良いと思っている。
まだ登校までには時間があるので、軽く今日の授業の予習や、持ち物の確認などをする。といっても、明日から夏休みなので授業自体は殆ど無いし、それほど持ち物は無かった。あえて言えば、きっと持ち帰るもののほうが多いぐらいなので、鞄は何も入っていないほうが有難かったりしたくらいだ。
登校時間が近付くと、鞄を持って外に出る。ウチの学校は履いてくる靴に制限があるが、白基調という以外に特にこれといった制限は無いので、朝履いた白地のスニーカーを履いていく。
そうやってアパートの二階廊下に出て、一階に降りて、駐輪場に停めてある愛用のマウンテンバイクを出す。愛用だからといって、何かしらの執着や愛着がある訳ではなく、ただ単純に、七段変速ギアにスピードメーターが実に効率的な気がした為、購入しただけの話なんだが。
とにかく、学校へ向けて出発した。
周りでは、友人達と楽しそうに二列縦隊で登校している奴らも途中途中で発見したが、そうやって友達と会話する事の何が良いのか、俺にはさっぱりだ。
俺には、恋人はもちろん、友人すらいない。
というか、つくる意義が分からない。
友人なんかが居た所で、自分が何かやりたい時に邪魔になるだけだし、恋人が居た所で四六時中ベタベタするのは鬱陶しい。
邪魔にしかならない友人関係なら、つくらないほうが効率は遥かに良い。
部活だってそうだ。
仲間と一緒に何かをこなす事は楽しいというが、俺としては家でバラエティ番組を見る方が何倍か楽しい。やっぱり何が楽しいか分からない。
世の中つまらない事だらけで、ちっとも楽しく無かった。
学校生活もそう。プライベートでもそう。
何をやっても興味を持てず、何をやっても心には空虚しか残らない。
前に、クラスの名前も覚えていない誰かが、俺に向けてこんな事を言った事がある。
「お前はなんでも率なくこなすけど、楽しそうな表情を見た事が無い」
言われた通りだと俺は思う。別に何でも完璧にこなせてつまらない訳ではない。別に成績は一般的なもので、そう優等生でも無い。
ただ、何一つ興味を持てるものもなく、何一つ心を動かされるものが無いのだ。
しかし、それをどうこう思った事は無い。
別に、それで俺は良いと思っている。
何も感じず、ただ日常に埋没していく日々で良いと思っている。
でも、それなら、
何故俺は、さっき泣いていたのだろう。
不思議な感覚だった。
多分、そこには悲しみもあった。悔しさも、怒りもあった。
今まで、俺自身見た事が無かった感情が、そこにはあった。
そこまで、感情が動くような夢を見たとでもいうのだろうか。
分からなかった。
ただ、俺は日常を平々凡々と過ごしていく。
いかがでしたか?
……まあ、この時点じゃよくわからないかな、と思いますが。
物語が進めばだんだん分かっていくと思います。
というか思いたいです。
よろしくお願いします